22＿兆し・一 ページ34
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今回から『』は" A "
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どこまでも続く何も存在しない世界に1人取り残されたような感覚は、"あの時"の事を思い出す。神力は底を尽きかけ、記憶も名前も失い、放浪していた日々を。
太陽が見える事は無く、ずっと寒空の下を宛てもなく彷徨い続けた。あの、暖かい光に触れるまで。
この真っ暗な空間では、どこへ向かう事もきっと叶わないと、その場にうずくまり、過去のことを思い出す事しかできない。あの時のように、救いの光が一筋でも差し込まれたなら、どんなにいいか…。
そんな現実逃避をしながら、暗い空間の先を見つめていると、目の錯覚なのか、妄想なのか、思い描いたような水色の透き通った光が一筋…また一筋と差し込んできた。
思わず瞼を閉じてしまうほど強い輝きに、少し萎縮してしまう。
だけれども、暖かなその光に手を伸ばす。
『……』
浮上していく意識と、少し透けて見える光に、瞼を開けてみると、見覚えのある天井が見えた。瞼を開けたらまた真っ暗な世界なんじゃないかなんて考えていたのも杞憂だったのだから良かったと、また瞼を閉じかける。
しかし、扉が開いた音に気付き、顔をそちらに向ける。
「…起きたか、良かった」
そう特に驚くことも無さげに呟き、部屋の出入り口から声をかけてくるのは、俺をこんな状態にした張本人でもあるモラクスだった。
飄々とした様子に、寝起きとは言えもう少し心配してくれてもいいんじゃないかともやもやする。だが、喉が酷く渇いていることや以前よりも感じる力の消失に大半の意識は割かれていた。
「喉が渇いているだろう、それに食事もしていないからな。少し待て、何か用意しよう」
それだけ言い残して、また部屋の外へ去っていくモラクス。そういえば、一度起きてからどれほど眠ったんだろう。そこまで時間は経ってないような気がするが、二度寝したおかげか何か酷い夢を見た気がする。
夢だったかも分からないくらいやけにリアルだった気はするのだが、いくら考えても思い出せないし、客観的に"悪い夢"としか思えない。
そんな夢なら忘れても問題ないとは思うが、こういう夢が意外と大事だったりするんだよな。
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もぶ - たぬき印さん» うわあああ、返信ありがとうございます!!めちゃくちゃ面白いです!!!少しずつ明らかになってくの楽しみです...!!! (2022年9月10日 22時) (
レス) id: 3fdbb0f866 (このIDを非表示/違反報告)
たぬき印(プロフ) - もぶさん» ここまで見てくださってありがとうございます！これからも2人の関係は少しずつ深掘りしていく予定なので、引き続き楽しんでいただけると幸いです！ (2022年9月9日 1時) (レス) id: e020d55359 (このIDを非表示/違反報告)
もぶ - うーーん、鐘離先生と夢主君の関係が好きぃ...お仕事頑張って下さい!!更新首を長くして待ってます!! (2022年9月8日 1時) (レス) id: 3fdbb0f866 (このIDを非表示/違反報告)
たぬき印(プロフ) - はなさん» 2話投稿時には既に修正しておりました。恐らく更新による時差かと思います。ご迷惑おかけしました。 (2022年2月13日 16時) (レス) id: e020d55359 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - オリジナルフラグたってますよ……！ (2022年2月13日 4時) (レス) id: 1f4f011eda (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たぬき印 | 作成日時：2022年2月12日 2時
