10＿争闘・終 ページ26
.
「え？そうなの？」
「…違いない。この世の中に存在せし万物は、全て神が一度手にした物だ。それが地に渡り、人々の手にまで届く」
『言い方を変えれば、神と呼ばれる存在は、世界の実験体。だから、一番に影響を受け、一番に変化する』
「へぇ、神っていうのも中々大変なんだね。じゃあ鍾離先生にも？」
「だがしかし」
「え？」
「毒や薬に脆いのは、単なる怠慢が招いた結果だ」
『うわっ』
「俺が散々この世の中に存在する劇物や薬、薬草などのことについても学び触れろと言ってきたのにも関わらず…」
『眠くなるんだから仕方ないだろ！！』
「だが今こうやって危機にさらされてる！！」
『危機って…薬が効かない方が危機だったろ！！』
「スゥゥゥ…ッ…分かっていたなら暴れるな！！！！」
『ヒクッ…う…』
いつもこれだ、いつも、いつも
正論を言ってもそれ以上の正論で捩じ伏せられて、反論もできない。口では鍾離の方がAよりも何枚か上手であった。今にも泣いてしまいそうな眉の下がり切ったAは、しゅんと肩をすくめて俯いてしまう。
「ちょ、先生言い過ぎじゃない？というかそんな大声出せたんだ…」
『わかった、俺が悪かったよ、それでいいだろ』
「はぁ…」
やれやれと、珍しく疲れ切った鍾離を見て、思わず表情が緩んでしまう。いつも堅苦しくて甲斐甲斐しい鍾離の顔を崩せるのもあって、中々にやめられない。
.
.
.
.
【とっくに"私"を制御しているクセに、よくもまぁ飽きずに演じ続けられるものだ】
【まさか。"俺"は演者ではないぞ。何故なら、二つで一つ、誕生と破壊は一重だから】
【私がいなくてもお前は破壊の意思を身に宿せる筈だ】
【ふはは】
【均衡の神が聞いて呆れる。何を持ってして破壊と誕生の意思が均衡だと】
『いつだって均衡は保たれている。…そうだな、一つ訂正しよう、確かに俺は演者だった。演じることで均衡の神だと定義付けているんだよ。善も悪も、誕生も破壊も、皆等しくなるように…』
例え本質が悪であろうとも。
——————
長々と書いてしまいましたが、ここまでありがとうございました！
物語で回収出来なかったんですが、タルタリヤが最初手合わせに気乗りしていない様子だったのは、邪眼が手元になくて、本気での戦闘が臨めなかったからですね。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 308人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「原神」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
もぶ - たぬき印さん» うわあああ、返信ありがとうございます!!めちゃくちゃ面白いです!!!少しずつ明らかになってくの楽しみです...!!! (2022年9月10日 22時) (
レス) id: 3fdbb0f866 (このIDを非表示/違反報告)
たぬき印(プロフ) - もぶさん» ここまで見てくださってありがとうございます！これからも2人の関係は少しずつ深掘りしていく予定なので、引き続き楽しんでいただけると幸いです！ (2022年9月9日 1時) (レス) id: e020d55359 (このIDを非表示/違反報告)
もぶ - うーーん、鐘離先生と夢主君の関係が好きぃ...お仕事頑張って下さい!!更新首を長くして待ってます!! (2022年9月8日 1時) (レス) id: 3fdbb0f866 (このIDを非表示/違反報告)
たぬき印(プロフ) - はなさん» 2話投稿時には既に修正しておりました。恐らく更新による時差かと思います。ご迷惑おかけしました。 (2022年2月13日 16時) (レス) id: e020d55359 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - オリジナルフラグたってますよ……！ (2022年2月13日 4時) (レス) id: 1f4f011eda (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：たぬき印 | 作成日時：2022年2月12日 2時
