救済措置・二【原神】

01＿争闘・始 ページ17

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全10話構成。
タルタリヤ VS A(チェルー)

番外編ですが、夢主の事について軽く触れています。

目安としては璃月編閉幕後のお話。
本編後半にて投稿する予定だった番外編です。

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「やぁ、A君。いや、今の君はチェルーくん。かな？」


わざとらしく瞳を細め、その高い身長で見下ろしてくる公子殿。俺は今モラクスに勧められた【月浴水晶山陰陽伝】を読んでいたのだが、どうも璃月を"散歩中"だった公子殿に"偶然"見つかってしまったらしい。

こうなれば次の一言は明日の天気を見るよりも容易く、おそらく…


「一戦やろうよ、久しぶりだし」


そう、これだ。

こちらからすれば、週に一度のペースを久しぶりだとは思えないし、何より公子殿の戦い方は目に余るのだ。

あのファデュイ上層部が愛用する"邪眼"とやらを使う以上、俺は公子殿を全力で捻り伏せる必要性が出てくる。

"魔王武装は人体への負担も大きい。なるべく早く決着をつけてあげてほしい"

それが空から言われた"約束"だからな。

…建前だ。

あの無駄にある体力のおかげもあり、殺さないように手加減をするといつも大抵1時間以上時間を要してしまうのが事実。

だが、ここらで一度一週間ほど再起不能になるまで叩きのめしてしまおうか。


『いいよ、やろう』

「ん？今日はやる気なの？あれ、俺…あー」

『なんだ、まさか誘っておいて気乗りしないとでも？』

「いやいや、まさか…！今日はどこでやろうか」

『今日は公子殿に有利な戦場を用意しようと思うんだが。うん、悪竜封印の地にでも行こう』

「そこ君にとっても有利じゃないの？」

『win-winってやつか』


というのは冗談で、公子殿が見せた先程の動揺が気になる。

何かあったのだろうか、俺を見つけたら戦いに誘う、という一連が出来ていたこともあって、特に戦うリスクを考えずに話しかけてしまったのかもしれない。

たが今更遅い。一度そういう気分になってしまえば取り返しがつかないこともあるのだ。

空やモラクス…いや、鍾離に対しても気安く戦闘に誘う節があるようなので、ここいらで一度正してやる。

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