Verzerrte Kinder＿III『雪男』 (ページ2)

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「……それに理由は必要か？」

「はい。」

「それはなぜ。」

「理不尽だからです。」

「どうして？」

「この子たちは能力(ラクリマ)を持っているだけなんですよ。ただの18から14の子供ですよ？…なんで簡単に戦場に送るの？どうしてこの子たちだけ大人から酷い目線とあり得ない言葉を正面から受け取ってるの？ありえないでしょ普通！！！」

「ラウール……」

「この子たちはまだ、ッ……子供なんだぞ！？」

ラウールもまた非日常を生きて来た人間なのだ。
彼は捨てられたと思い込んでいたが実は違う。
殺されそうになった母親が、軍隊の門で見張りをしていた第2番隊の軍人に彼を預けたのが真相である。
それを知ったのは深澤と宮舘が第0番隊が抜け出す数日前のことだった。

「俺、そのことを知って泣いちゃったんです。俺は、みんなの過去は知らない。でもいつか知れるなら嬉しい。」

「………。」

「最高司令官、俺たちこれからなんです。だからお願いします。第0番隊の残留を許してください。」

「…お前はつまり、まだ幼い子供たちを戦場に向かわせるということか？」

「ちがっ、」

「ま、オレは元々期間が決まってるしな。どーせ、それは涼太が許さないんだろうし。」

「え、どういうこと？」

ラウールの言葉を遮り渡辺が会話の内容を変える。
渡辺が口を開く前に最高司令官が口を開く。

「まさか、俺も皇族が軍に入るなんて思ってもいませんでしたよ。Δ国の渡辺家時期当主、渡辺翔太殿下。」

「あーやっぱり知ってたんだ。」

「翔太、結構ヤバい人なの？」

「ヤバいってどういう意味だよ。」

そして渡辺はまた口を開いて話し始める。

「オレと涼太の場合、渡辺家のイザコザが収まれば軍を抜けて家に戻る予定だったんだよ。だから涼太の仕事はオレを守ること。でも、涼太はオレから離れて別行動してる。」

「ん？」

「考えられんのが2つってこと。」

「……あ！！翔太の家に何かあったか舘さんの身に何かあったかだ！」

「ま、その考えしかないよね。」

「でも、みやだてくんの身に何かがあったとしてさ、なんでふっかくんと行動してるの？」

「それはオレも分かんねぇけどさ…でも涼太だから、何か理由はある気がする。」