検索窓
今日:1 hit、昨日:25 hit、合計:435,162 hit

第44話 ページ44

ま「炒飯にしたんだけど、Aちゃん苦手なものとかある?」

『いえ、特にありませんよ。』

ローテーブルに炒飯とお茶を準備してくれて、まふさんがクッションを渡してくれたのでそれをギュッと抱きしめて絨毯の上に座るとまふさんとそらるさんがキョトンと私を見つめていた。

『?…何か…?』

ま「あ、ゃ……そのクッションの上に座っていいよ〜、って意味で渡したんだけど…」

『……、っ、!?!?す、すみませんっ!!!!!』

慌ててクッションを床に置く。

間違えた!!!そうだよね、座るためだよね!!!

そ「良いんじゃない?君……Aちゃんの好きなようにしなよ。クッションはソファの上にたくさんあるから。」

ね?、と炒飯が盛り付けられた皿を持ってキッチンから柔らかく笑ったのはそらるさん。

そ「ねぇねぇ、俺もAちゃんと話したいからそっち行っても良い?テーブル越しでも良いんだけど。」

『……テーブル越し、なら……』

そ「大丈夫ってこと?ありがとう。」

……怒らないんだ。
それに私なんかにお礼を言ってくれた。

そのまま視線をまふさんに移すと、此方もまた柔らかく笑いかけてくれた。





そ「Aちゃん、うらたくんの従兄妹なんだってね。まふまふから聞いた。高校何年生?」

『2年生です。今日は夏期講習があったので制服で…。』

そ「なるほどね。好きな科目とかあるの?」

『うーん…数学や理科は好きです。あとは単純に暗記するだけなら社会も…。家庭科や美術、音楽なんかも好きです。』

ま「好きな科目がいっぱいだね。楽しそう!」

ニコニコ笑ってまふさんはそう言ってくれたけど単に私は一人遊びが得意だっただけ。料理も裁縫も絵もピアノも計算も、全部一人で出来るからだ。

そ「国語や英語は苦手?」

『…そう、ですね…。文法や活用形はパズルみたいで面白いと思うんですけど、読解…特に小説が苦手で………イマイチ登場人物に感情移入できないというか、……フィクションって綺麗事のハッピーエンドが多くて苦手です。』

………って、私は何を言っているんだ。
こんなこと言ったら二人が困ってしまう。

『す、すみません…変なこと言いました…』



ま「…んーん。その気持ち、よーく分かるよ。」

第45話→←第43話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (507 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1697人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

まなつ(プロフ) - コメント失礼します。ただ一人の私自身を思ってくれる、本当の私を見てくれる、そんな優しい誰かがすぐそばにいる、それを気付かせてくれる誰かがいる夢主ちゃんはとても幸せですね。素敵なお話をありがとうございます (2020年6月25日 23時) (レス) id: c0717d53d4 (このIDを非表示/違反報告)
ゲッティ - 奇遇、私も埼玉住んでる (2020年6月13日 18時) (レス) id: 0adc01732d (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 心春さん» これは世界中で理不尽ないじめと戦う皆の話です。貴方の心に響いたのならきっと貴方も過去(現在かもしれませんが)経験がおありなのでしょう。「結局誰も助けてくれない、けれど何処かに助けてくれる大人は必ずいる」をテーマに書いておりますのでコメント嬉しいです。 (2020年5月26日 7時) (レス) id: 72c92659fa (このIDを非表示/違反報告)
心春 - 泣いてしまいました。夢主ちゃんの周りに素敵な方達がたくさん居て、読んでいてとてもあたたかくなりました。これからも更新頑張ってください!楽しみにしてます。 (2020年5月26日 0時) (レス) id: dd23ca9c81 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - しおさん» ありがとうございます。「貴方にとって優しい世界が何処かにある」をテーマに書いておりますので伝わっていたのはとても嬉しいです。 (2020年5月24日 19時) (レス) id: 72c92659fa (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2019年8月6日 12時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。