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第12話 ページ12

まず訪れたのはレディース服の店。
Aが好きそうな、落ち着きのあるフェミニンな服を多く取り揃えている。

『私、ワンピースが好きなんだ。楽だから。』

う「あー、確かに。持ってきた服も殆どワンピースだったよね。デザインはシンプルな方が好き?」

『そうだね…リボンとかフリルとか好きだけど、コテコテなのは好きじゃない。……あと、肌の露出が嫌い。』

う「…」

そう、Aを迎えに行ったあの日から、Aはずっとロング丈のものを着ている事が多かった。暑くないのか、心配に思っていたが……きっと肌を見せるのも抵抗があるのだろう。

う「……ねぇ、何個か俺がコーディネートしても良い?」

『渉くんが?え、嬉しい!渉くんオシャレだから!』

う「やった!」

そうと決まれば早速何着か手に取ってAに合わせ始める。





う「いやぁ!楽しかった!」

あの後、散々Aを着せ替え人形して楽しんで、Aの反応が良かったものは全て購入した。勿論俺からのプレゼント。

『え、私お金出すよ!』

う「良いの!これは俺からのプレゼント!その代わりたまに着て見せてね!」

『う……分かった。ありがとう。』

最後はAが折れて照れ臭そうにお礼を言ってくれた。



う「ちょっとだけ俺の服見るのも付き合ってね。」

『うん、勿論。』

う「やっぱり女の子の意見があった方が参考になるし。」

『私の意見で参考になるかなぁ…。』

う「なる!大丈夫!」





う「…大丈夫、A?」

『うん……っ』

やはり、時期尚早だったかもしれない。

店内は勿論男が多い。
俺以外の男がAの横を通るたびにビクビクと肩を震わせて怯えているのだ。

う「やっぱり今日は帰るか…。」

『っ、ダメ!渉くんの服決まるまでは帰らない!』

う「無理しなくても…」

『…私のせいで渉くん我慢させるのやだもん…。』

…という訳なのだ。

う「……分かった。じゃあこうしよう。」

先程まで俺の後ろをついてきていたAに合わせて一歩下がって見せた。

『え…?』

う「俺の隣にいて?それなら少しは安心でしょ?」

俺も目が届くし。

『……うん。』

口元がキュッと結ばれて、Aが嬉しそうに口角を上げた。

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まなつ(プロフ) - コメント失礼します。ただ一人の私自身を思ってくれる、本当の私を見てくれる、そんな優しい誰かがすぐそばにいる、それを気付かせてくれる誰かがいる夢主ちゃんはとても幸せですね。素敵なお話をありがとうございます (2020年6月25日 23時) (レス) id: c0717d53d4 (このIDを非表示/違反報告)
ゲッティ - 奇遇、私も埼玉住んでる (2020年6月13日 18時) (レス) id: 0adc01732d (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 心春さん» これは世界中で理不尽ないじめと戦う皆の話です。貴方の心に響いたのならきっと貴方も過去(現在かもしれませんが)経験がおありなのでしょう。「結局誰も助けてくれない、けれど何処かに助けてくれる大人は必ずいる」をテーマに書いておりますのでコメント嬉しいです。 (2020年5月26日 7時) (レス) id: 72c92659fa (このIDを非表示/違反報告)
心春 - 泣いてしまいました。夢主ちゃんの周りに素敵な方達がたくさん居て、読んでいてとてもあたたかくなりました。これからも更新頑張ってください!楽しみにしてます。 (2020年5月26日 0時) (レス) id: dd23ca9c81 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - しおさん» ありがとうございます。「貴方にとって優しい世界が何処かにある」をテーマに書いておりますので伝わっていたのはとても嬉しいです。 (2020年5月24日 19時) (レス) id: 72c92659fa (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年8月6日 12時

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