リメイク ページ10
『…何ですかこれ。』
ま「ん?要らなくなった服!」
段ボール箱いっぱいの服が隣のまふくんの部屋から搬入された。また引越しでもするのかと思った。
『私の部屋は物置じゃないんですけど。』
ま「お願いっ!」
パンッ!と両手を合わせてお願いするまふくんの姿に、うっ、と言葉を詰まらせる。
ま「Aちゃんの腕で僕の服を生き返らせて!」
こうして毎回服のリメイクを頼まれている私だが、きっちり給料は頂くつもり。
というかこれ全部売ったらかなりの額が得られるのでは?ブランド物だし、まふくんの使用済みだし。
まふくんの古着が入った段ボールに目を向けると、一番上に見慣れた服。
『これ、まふくんが気に入ってた服…。』
ま「そうそう。でも何回も着てると友達に"またその服"って思われちゃうじゃん?でも何故か捨てられなくてさぁ…。」
『…その気持ちは分かりますけど…。』
少しオーバーサイズの黒のトップス。生地が薄い上に肌に優しい素材で出来ていて、敏感肌のまふくんも愛用していた服だ。
『…よし、今回はこの服をリメイクしましょう。』
ま「ホント!?」
私の作業部屋から余った布を持ってきて、布にチャコペンで印をつけながら手縫いで仮縫いを施していく。
仮縫いが終わったら一旦裁ちばさみで余計な部分を切る。
ま「躊躇なくいくね〜…」
『一気に行った方が綺麗に切れますからね。』
そうしたらミシンにセットして布を縫っていく。少し特殊な縫い方をすることで縫い目を表に出さないようにして敏感肌のまふくん対策。
まふくんが横からお菓子を食べさせてくれたり、飲み物を持ってきてくれたりしながら作業をし続けて3時間。
『完成〜!』
ま「すごーい!!!」
完成したトップスを持ってくるくると回りだすまふくん。
『あ、それ腰に紐通してあるのでウエスト部分締まるようになってます。横に出ている紐で調節して下さい。』
ま「エッありがとう!!!」
まふくんが嬉しそうに笑ってトップスを広げて自分に当てる。
毎回、この表情が見たくて作っちゃうんですよねぇ。
ま「あっそうだ!段ボールに入った僕の服あげるからAちゃん着てね!」
『え゛』
ま「じゃっ!またねーっ!」
『…もー、だから私の部屋は物置じゃないってば………。』
まふくんが置いていった段ボールの一番下に隠されるように入っていた新品の女物のワンピースに気付くまで、あと1分。
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ちょこ2(パソコン変わりました≪元ID 5ad0b4ef6a≫)) - 終わってます!戻ってきてください!続き楽しみに待ってます! (8月15日 20時) (レス) @page16 id: c7ac99c812 (このIDを非表示/違反報告)
くらげの死骸 - 今日で一年と五か月ちょっとが経ちました。お元気ですか?ずっとずっと待っているので、気が向いた時に戻ってきてください! (2021年7月21日 3時) (レス) id: 39ac13b7d9 (このIDを非表示/違反報告)
Ria(プロフ) - 今日で一年経ちました。良かったら戻ってきてください。私達は、いつまでも貴方を待ち続けます。 (2021年2月2日 23時) (レス) id: ca363474a4 (このIDを非表示/違反報告)
にゃんこ - 急に呼び出してごめんね。あの、ず、ずっとまえから伝えたかったんだけど、す、好きです。付き合ってくれませんか!!?//(分かりにくいネタ)(告白のシュチュとこの小説への思いのあらわしかたが独特) (2020年3月10日 10時) (レス) id: a2fa91df99 (このIDを非表示/違反報告)
凛(プロフ) - るいさん» ありがとうござ………夜しか!?!?夜は眠れているんですね!?!?それは良かったです!!!!! (2020年2月8日 15時) (レス) id: 72c92659fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:凛 | 作成日時:2020年2月2日 19時