黒の片翼と理想と幻と【スマブラSP】

#27 自覚 ページ28

ダンスが始まると、みんな一斉に踊り出した。
さすが、みんな上手で私のように足を踏み外す人なんて誰もいなかった。



だけど、クラウドさんは私が足を踏み外しそうになると上手く足の重心の方へ先回りしてくれて上手く立ち回ってくれた。
そうしているうちに、自然と楽しくなって来て私たちは無我夢中で踊っていた。




そうした中で、私はとある事に気づいてしまった。



こんなに楽しい気持ちは生まれて初めて。
誰かとダンスしたり、笑いあったり…
クラウドさんと居ると、昔の私を忘れさせてくれる。
その優しい目が、温かい手がいつも私の側にあるから…


その手に触れると、何もかもが嫌じゃ無くなる。
私にとって、クラウドさんは無くてはならない存在。
だから、そう、気づいてしまったんだ…







私はクラウドさんが好き。







誰よりも、1番…
きっとこれが、愛なんだと思う。




もう自分の気持ちを誤魔化す事なんてできない…









あっという間に楽しいひとときは終わり、パーティーも終盤に差し掛かった。



クラウド「…この後、どうする？」


A『…まだ離れたく無いな』



クラウド「前に、お前が寝ていた森の奥にバーがある。昼は喫茶店、夜はバーになるんだが…
行ってみないか?」




私はもちろん、二つ返事で返答した。
よく考えたら、クラウドさんと2人でこんなに居た事無いかも。
どうしよう…なんだかドキドキして来たかも…





パーティーの後、私たちは着替えてからもう一度集合した。
普段着になると、なんだか一安心する。
少し待っていると、クラウドさんが出て来て、私たちは酒場へと向かう。





【いらっしゃい！2名様だね。お好きな席へ座ってくれよ】


A『クラウドさん、お酒…何飲みます』


クラウド「キツイの」





クラウドさんって意外とお酒強いのかなぁ…
私はあんまり飲めないから、飲みやすいのにしとこうかな。




A『軽めのお酒でお願いします…』




ムーディーな曲が鳴って、私たちは隣に並んでチビチビとお酒を飲んでいた。
氷が溶けて、ころんとなるのもなかなかよい。




クラウド「ダンスパーティー、どうだった」


A『うん…とっても楽しかった…
あ、あのね…』


クラウド「うん？」



自分の気持ちに気付いてから、クラウドさんと目合わせるの恥ずかしいな…



A『…クラウドさんの側にいられて…嬉しい…』

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