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「くしゅっ。」

「…バカ、そんな格好でいるから…。着替えてこいよ。風邪引くぞ。」

「ん…。そうだね、着替えてくる。」

普段考えないようなことを考えたせいで、少し薮の顔が見づらい。

なんでだろう、今まで気にしたこともなかったのに。

…もしかして俺、ほんとに薮のこと好きになっちゃったの?

「…はは、ないな。」

頭に浮かんだ可能性を自ら消し去って、制服に着替えた。

戻ると光が帰ってきてた。

「光。」

「伊野ちゃん。ごめんねー、試着のこと。俺もすっかり忘れてて。」

まあ、あんな爆弾発言されて忘れないわけ無いわな…。

「ううん、大丈夫。」

「光、他の奴らは帰ったのか?」

「うん、仕事終わったからーって。はい、これ皆からの資料ね。」

「…纏めんの明日でもいいよな?」

「もう遅いしね。」

光の言葉に外を見ると、夕日が沈みかけてた。

「わっ、ほんとだ。」

「伊野ちゃん、送ってくよ。危ないし。」

「ありがと光!」

スマホを見ると、侑と裕子から先に帰るねってLINEきてたからありがたい…!

それにしても侑と裕子酷くない?

「んじゃついでだから俺も送るわ。」

そんなわけで、薮と光と3人で帰った。

それぞれ薮と、光とは帰ったことあるけど3人で帰るのは初めてで。

本当に、心から凄い楽しかった。

柄にもなく、この時間がずっとずっと続けばいいのになんて思った。

「じゃあ伊野ちゃん。また明日ねー。」

それでもやっぱり時間は過ぎて。

「うん、また明日!」

二人並んで帰っていく光と薮を見てちょっと切なくなった。

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作者名:さくらもち | 作成日時:2017年8月14日 1時

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