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「薮ちゃんと付き合ったんだって?おめでとう。」

「…ありがとう。なんで当然のように俺の家に大ちゃんがいるのかな。」

「んん…理由はないよ?ただ…なんか…。」

なんか今日の大ちゃんは歯切れが悪い。

「どしたの?正直に言ってよ。」

「薮ちゃんから、伊野ちゃんが何か悩んでるんじゃないかって。」

ああ…そういうこと…。

「で、わざわざ来たんだ?」

「ごめん、迷惑だった?」

ずるいなぁ、謝られたら何も言えないじゃん。

「…迷惑じゃ、ないよ。」

薮からきいたとはいえ、俺のこと心配してくれたんだろうし。

けど…大ちゃんに相談…していいものか。

相談したところで答えが出るとも限らないし…。

「…伊野ちゃんはほんとモテるよね。」

その言葉につい反応した。

知念に告白されたことは誰にも言ってないはず…。

いや、侑にはバレたけど。

「…急に何?」

なんとか平静を装って聞き返す。

「高校に入ってから…俺は伊野ちゃんについて、知らないことが多くなった。今も、伊野ちゃんが何で悩んでるか知らない。…そもそも、悩んでることすら薮ちゃんにきいてはじめて知った。」

「…?大ちゃん?どうし…。」

「でも。俺は伊野ちゃんの幼馴染だから。…なんでも相談にのるよ。伊野ちゃん、よくモテるからそういう系の相談でしょ?」

…言ってることは普通なのに…やっぱり今日の大ちゃんは…少し、変だ。

「…知念から、告白された。」

でも、そんな違和感…俺は気にする余裕もなかった。

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作者名:さくらもち | 作成日時:2017年8月14日 1時

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