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78 Kota.Y side ページ29
…今、伊野尾は何て言った？
｢ねぇ…何とか言ってよ、薮。｣
可笑しい、告白したのは俺なのに何で俺が答えを求められてるんだ。
｢…それはこっちの台詞だよ、伊野尾。｣
俺の言葉に伊野尾はきょとんとした表情。
｢お前さ、今日のHR前俺が告白したこと忘れてない？｣
｢！｣
｢先に俺の返事してよ。そしたら返事してあげる。｣
｢…。｣
わかりやすいくらい思いっきり目を逸らす伊野尾。
｢…い、今言わなきゃだめ？｣
｢だめ。｣
｢〜っ…！｣
さっき"大好き"と言ったのに何を恥ずかしがることがあるのだろう。
｢…俺も、薮のことが好きです…。｣
今まで生きてきた中で一番キュンとした日をあげるなら間違いなく今日だろう。
｢そっか。｣
やっと聞きたかった言葉が聞けた。
｢俺はねぇ、伊野尾のこと大好きじゃ足りない。愛してる。｣
｢な…！｣
面白いくらいに顔を赤くする伊野尾。
｢じゃあ付き合ってくれるってことでいいよね？｣
｢付き合う…？｣
｢お互い好きあってるんだもん、問題ないよね？｣
｢…あの、薮？近い…。｣
笑顔のまま伊野尾との距離を詰めていく。
｢何か問題ある？｣
｢いや、あの…そんな一気に質問されても…。｣
なんとかこの状況を切り抜けたい伊野尾は誤魔化そうとしてるけど…そんな誤魔化しが俺に通じると思ったら大間違いだよ。
｢…なら、これだけ答えて。｣
ほぼゼロに近い距離で俺は伊野尾に問いかけた。
｢このままキスしていい？｣
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作者名：さくらもち
| 作成日時：2017年8月14日 1時
