狼は柱を嫌う。

教えてもらったこと ページ15

(師範)「ほれ！起きろー！」

ｶﾞﾝｶﾞﾝｶﾞﾝｶﾞﾝ!


[ﾌﾝﾌﾝｯ!]




『うわっ！おはようございます！』






(師範)「今日も期待しとるぞ！」

『お任せ下さい！』






あんな日から四ヶ月。


この狼は水仙(スイセン)と名ずけた。


今までも一緒に居たように、面白い程気が合った。




『魚！そっち！』


[パクっ！]


ｺﾄｯ


『でっか...。』


野生の勘とでも言おうか。

水仙は、鋭く。また、頭が良い。


一度言えば、大体のことは記憶してくれる。









『宜しく御願いします！』


さらにさらに、ロンを元にして修行を受けられるという特典付き！









水仙のお陰で、驚く程剣さばきが得意になった



刃の当て方から、体術に至るまで、野生の力をグングン吸収している気がする。



[ﾌﾝﾌﾝｯ!]


基本的、犬のような感じだが、口数が少なく
男気！って感じ。(←語彙力。)



『師範！』

(師範)「おぉ、また背が伸びたな！」

『そうですかね？』



十の時、百四十cmだったのに、



今現在


百五十cmと、とても伸びた。





(師範)「今日も、全身全霊かかってこい。」


『頑張ります！』






ｻｯ！


ｽﾞﾝｯ！



山の中に激しい音が響く。

俺達が動く事に風が巻き上がり、木の葉が落ちる。






水仙との辛い鍛錬で、師範の動きを、しっかり把握できる様になったし、身体の軸。



いわゆる、体幹を鍛えた為、攻撃を仕掛けられた時、対応が速い。




そして、水仙と会って四ヶ月。

毎晩水仙は、ひとりでに踊り出すのだ。
その時には必ず、りすや、兎、熊や、鹿、食う食われるの関係である動物達が、仲睦まじく

共に踊っているのだ。

水仙はこちらに気づくと、手を引き、舞い方を指南するかのように、ゆったりと踊った。




まあ、それが毎晩の楽しみになり、自然と舞も覚え、動物達とも仲が良くなった。という次第だ。








動物達は、俺の事を暖かく迎え入れ、戦いに使えるような技をいくつも教えてくれた。



口笛を吹けば、小鳥が肩に止まり、りすは手のひらに乗った。

兎は、俺の胡座をかいたところに、入った。

熊や鹿は、俺を囲うようにして座った。




森にも、家族が出来たみたいで
とても嬉しかった。



小鳥には、癒しのさえずり、波動

兎には、速度の変え方、方向転換

鹿には、精神統一、洞察力

熊には、動じぬ強さ、計り知れぬ強さ

を教えてもらった。







今ならできる。俺ならやれる。


圧倒的に変わった。

感じる。→←月夜の狼 弐

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