事故物件に引っ越しました【srr】

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その次の日から、恐怖体験は全く起きなくなった。

むしろ、ちょっと良い事が良く起こる。

それも、ラッキーとは言い表せない。



水道の水を出しっぱなしにしたままインターホンの応対をしていた筈が、帰ると止まっていた。

靴が揃えてあった。

冷蔵庫の中が整頓されていた。

仕事で疲れて眠ってしまった時にも、起きると毛布がかけてあった。



そんな、大きな幸せの連鎖が続いていた。

これってもしかして…あの幽霊のおかげだったり？明らかに偶然とは思えない。

…会ったり、話したり…出来ないのかな


［幽霊 会う方法］
［降霊術］
［霊媒師］
［幽霊 話す方法］

色々なワードで検索してみた

…お、これ試せないかな…

ん〜…これは難しいか





『ｯ？！』

驚いて肩を揺らした

でも、直ぐに不安は打ち消された

頭に大きな手のひらが乗せられる感覚

…いや、これは"頭を撫でられている感覚"だ


でも…どうして？




「そんなに俺に会いたいんだ」


直ぐ後ろから声がしたと同時に、撫でられている感覚も消え去った

振り向くと…やっぱり何も見えない

感じられるのは、声と感触だけ


『…ね、ねぇ……居る、の？』

震えた声で聞いた

すると目の前に靄が出来、それがゆっくりと動いた

「居るよ、ここ。見えるでしょ？」

その靄は何時しか形を帯び、人の形…いや、はっきりと顔も体も見える様になった

ふわふわした髪に生えている角、眠そうな瞳、黒いローブに手にするは大きな鎌。

その見た目は"死神"だった。







「…初めまして。やっとこうして話せるね」

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