傷を抱えた私達は (ページ12)

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ふと隣にいる草川くんの様子が気になって隣を見ようとすると

トンと肩に頭を預けてくる

え、わっ！？
私の肩、骨ばってて痛いのでは…？
絶対寝心地良くないですよ

と、1人慌てて、でも起こさないように大人しくしていると心の声が伝わったのか

ズルズルと滑り落ちていき膝の上で止まった

えっとー…まぁそこなら寝心地は多少いいですかね

なんて思い、草川くんに抱き枕にされたり、膝枕することに抵抗がなくて自分でも笑ってしまう

まだ彼と関わったことは2回しかないはずなのにずっと一緒にいたかのような心地良さを感じる

私の膝の上に頭を乗せてぎゅっと丸まって寝る姿は猫みたい

ふわふわの髪の毛、撫でてもいいかな…？

恐る恐る髪の毛に手を乗せて撫でる

思っていたよりもふわふわで触り心地が良くて無意識のうちにずっと撫でていた

草川くんは不思議な人

この人になら私の全てを打ち明けても大丈夫な様な、全部受け入れて包み込んでくれるような気がする

でも反対に、

保健室で草川くんが言った「やめて、捨てないで…」や

柊生が言っていた[Aと拓弥似てるなって思ってさ]

が引っかかる

『ねぇ、君もなにか抱えているの？』

寝ている君からの返事はない

けれども、確実にこの時私の中で草川くんは特別な存在になった

この特別は同情なのか恋なのか今はまだわからないけれども