4月30日 ページ2
私たちの出会いは保健室だった
ノックを3回して保健室の扉を開ける
『失礼します…』
よく体調を崩す私は高校生3年生になっても保健室の常連さん
『松尾先生…今日もベットで休ませてください』
パソコンで仕事をしていた松尾先生のところに行くと
7「顔真っ白やな。ええで〜ゆっくり休み?」
ベットのある部屋の扉を開けて押さえてくれて
私がベットに入ると慣れた手つきでカーテンを閉めてくれる
『いつもすみません…』
常連になりすぎて保健室の先生である松尾先生と仲良くなってしまう始末
7「この後会議なんやけど、いなくて平気?」
『あ、はい。大丈夫です』
学校の中で教室の次に過ごすことが多い保健室のベット
いつもは基本誰もいないのに今日は隣のベッドにもカーテンが閉められていた
誰かいるのかな?
7「寒かったらいつもの場所に毛布あるから使ってな?」
そう言って松尾先生は会議に行ってしまった
ブレザーをハンガーにかけてベットに入る
目を閉じても視界が揺れているような、深い闇に吸い込まれていくような感じがして寝られない
寒いし、頭も痛い。今日は重症だ…
『いつまでこの体質と付き合わなければいけないんだろう…』
この答えは私にもわからない
深いため息をつきながら、布団をさらに引っ張って潜ろうとすると
ギシッと何かが軋む音がした後、シャッとカーテンを開ける音がして動きを止める
松尾先生が帰ってくるにはまだ早いはずだ
恐る恐る布団から顔を出し音のした方を見るとなぜか目の前に知らない男子生徒がいた
『え、えっと…どなたですか…?』
そういえば隣に誰か寝ていたんだ。と今更ながら思い出して
でもなんでこっちに近づいてきてるの?と混乱している間に
その人は何故か私の寝ているベットに入ってくる
『えっ?ちょっ…なん』
なんなんですか!やめてください!!
と言って逃げようとしたのに
「やめて、捨てないで…」
壊れ物に触れるかのように優しく私のお腹に腕を回して抱き締めながら言う彼の言葉に何も言えなくなってしまった
そして私を抱きしめたままスースーと寝始めてしまう
茶色くてふわふわとした髪の毛に女の子かと思うほどの長いまつ毛。顔整ってるなぁ…
改めて近くで見ても私はこの人が誰だか知らないし…
『なんなんだ…』
そう思いながらも、彼の心音と暖かい温もりで私まで眠りに落ちてしまった
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作者名:蓮華 | 作成日時:2021年2月7日 17時