♯ ページ14
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『可愛い……！』
ありがとう、と笑顔が弾ける。でも俺の目的はそれだけじゃない。
「ねえ、A」
Aの前に跪く。手首に嵌められたゴールドのチェーンが日差しに照らされる。
『え、何？』
「俺Aに伝えたいことある」
『伝えたいこと？』
この想いを伝えたら、もしかしたら幼馴染に戻れないかもしれない。それでも伝えたい。
「俺さ……、Aのこと好き」
目が大きく見開かれる。小さな両手を取ると手先が冷えている。
「僕と付き合ってください」
心臓が破裂するんじゃないかって思うほど緊張した。自分は誰かに告白した経験が意外となくて、どうやって伝えようかずっと迷っていた。でも回りくどい表現よりもまっすぐな、率直な言葉を届けたかった。
ジッと見つめ合う。それだけでも俺は緊張してしまって、Aの手に力を入れてしまう。
『……緊張しとるね』
「言わんで……」
フフッ、と微笑んだA。ゆっくりと近づいてきて俺の頬に口付けた。
「え……」
『私も好きだよ』
何が起こったのか、理解が追いつかない。
『これからは彼氏彼女としてよろしくお願いします』
照れてほっぺを真っ赤にするA。あどけない笑みに嘘がないのは昔からの付き合いだから勘づいている。
「今から、俺達、付き合うの？」
『うん。付き合う』
「俺Aの彼氏になった？」
『なったよ。私は彼女』
現実を受け入れられるようになってくると、心の底から暖かくなって素直に嬉しさが沸いてくる。
そっと抱き着いてみる。Aの腕が背中に回り、心から幸せを感じる。
「いつから好きになってくれたの？」
『んー……、分からん。気づいたら好きになってた。亮なら年下でも例外だった』
俺の脈もAの脈も早い。お互い緊張しているのが聞こえてくる。
「ねえA」
『ん？』
「唇に、キスしてもいいですか？」
変に敬語になった俺をAはフフッ、と微笑む。
『いいよ』
もう1度顔を見合わせる。Aが静かに目を瞑る。余裕なんてない。この数分間、ずっと緊張しっぱなしだ。でも今できなかったらしばらくやれない気がする。
覚悟を決め、ピクピク震えている彼女の唇に自分のを重ねる。柔らかい。たった一瞬の行為が俺達を変えた。
俺達は幼馴染から恋人へと昇華されていった。
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あおやなぎ(プロフ) - AYN98036518さん» 初めまして、ありがとうございます！ これからもこの作品をよろしくお願いします(^^) (2021年1月5日 15時) (
レス) id: 098b1a6f9b (このIDを非表示/違反報告)
AYN98036518(プロフ) - 面白いです！面白すぎます！頑張って下さい！続き楽しみに待ってます！！！！！！！ (2021年1月4日 12時) (レス) id: 12406a430a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あおやなぎ
| 作成日時：2019年5月14日 22時
