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バッシュがキュキュッと体育館に響く。
体操服で備品の整備してるのは1年生かな。



夏で3年生が引退したから、実質1年と2年だけの部活。
バスケ部の結果は…よく覚えてないけど
府大会ぐらいまでいったんやっけ。



半分に区切られた体育館は、手前がバスケ部、
奥がバド部の練習場所になってる。



「なぁ、キャプテン誰なん?」


「小瀧やで」


「えっ」



小瀧…キャプテンなんか…
まぁタッパあるから威圧感はあるな…



ちらりとこっちを見た1年生が続々と小瀧と重岡に挨拶する。
帰宅部のあたしにはこの感じがすごくむず痒く思えた。



『ん、ちょっと紹介するから集まって』



パタパタと全員が輪になって集まる。
見慣れないあたしに視線が集中していることは
俯いていても分かる。



紹介なんかわざわざせんでええのに…ひっそり見ときたかったのに…
でもそしたらファンやと思われるか。



『マネージャー候補のAAさん。勧誘したけど
めっちゃやりたくなさそうやから皆で誘惑するぞ』



はい、とかおう、とか言ってるけど、その顔はどれも笑ってる。
…良い雰囲気なんやね。



「見学…だけさせてもらいます。よろしくお願いします」


『ほら、こんな感じやねん。頑張って
かっこいいとこ見せろよお前ら!』


「お前が1番見せなあかんやろ小瀧笑」


『そんなん言うまでもないわ!』



その後先生が来て、小瀧が(勝手な)説明をしてあたしが
ここにいることを認められた。
どうかどうか、ファンが来ませんように。



どうか、誤解を招きませんように。

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作者名:カジャ | 作成日時:2022年9月12日 21時

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