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なぜじゃ。



退勤ラッシュで人いっぱいやのに、なんで見つけられたんや。
あたしの正面に立ってつり革を掴む小瀧。



「な、何してるん」


『俺しつこいからさ笑』



こんな至近距離におったら無理やって。
緩く結ばれてあるネクタイをガン見するしかない。



1駅だけやけど結構揺れるこの電車。
あたしは扉にもたれてるから大丈夫やけど、
小瀧は押されてて可哀想。



「…大丈夫なん」


『おん、全然。バスケでもっと押されるし笑』



あー、なるほど。
何もしてないあたしと同じにしたらあかんな。



『心配してくれたん?優しいなぁ、惚れてまうわ俺』


「だる」



そういうこと軽々しく言うなよ。
勘違いすんねんから。



1人でも早いと感じる1駅分がもっと早く感じた。
駅に着いた電車はたくさんの人を吐き出してまた飲み込む。
改札を通ると、当然の如く小瀧も改札を出た。



「まじで大丈夫やで、ここで」


『まぁまぁええから歩いて笑』



…なんてやつや。



これ小瀧じゃなかったらほんまに鬱陶しいぞ。
ストーカーで訴えるかもしれん。
イケメンって得やな。



駅から10分歩けば公園が見えて、その角を曲がればもう家に着く。
何言っても引かなそうやし…ええかもう。



『今日はしげとデートしてたん?』



車道側からさっきより少し低い声。



「デートってか…小道具一緒に選んでただけやけどな」


『じゃあなんでカフェいたん?』


「わざわざ来てくれたしって重岡の気遣い」



公園が見えた。
もうすぐ小瀧との時間が終わる。



小瀧は聞いてきた。
ならあたしも、聞いてもいいのだろうか。



「そちらもデートに見えましたけど」


『俺らはキャスト集まれるやつ集まって練習してただけやで』



ふーん。でもカフェは2人で来てたよな。
これ以上聞かんとくけど。



練習熱心で監督は嬉しいわ。



「そか。頑張ってくれてんね」


『覚えてる?文化祭終わったら俺と飯やからな』



あたしの家の前に来た。



「分かってる。じゃあ、あたしここやから」


『もう着いたん!もっとお話したいのに』


「また明日学校で」


『無視すな笑 暖かくして寝ぇや?おやすみ』



彼氏みたいなこと言うんやな。
…誰にでも、そうやってんの?



「…おやすみ」

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作者名:カジャ | 作成日時:2022年9月12日 21時

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