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あたしの好きな種類のチョコが
4種類も置いてあった。
でもさすがに全部奢ってもらうのは
そんなに仲良くもないし図々しいよな…
2つに絞ろ。
新発売のは外せへんから…
うわー…いちご味かな…オレンジピールのも…いやでも抹茶もな…
『Aさんチョコ好きなんやね笑』
｢うん、めっちゃ好き｣
『意外やな。ポテチとか辛いもの好きそうやのに』
｢辛いの食べれへんねん｣
『ギャップありすぎて萌える』
は。イケメンが萌えるとか言うな。
言われる立場やろ。
しかもあたしに言うセリフじゃないし。
｢こ…たき。これとこれ、お願いしてもいいですか｣
選んだのは新発売のチョコの中にラムネが入ってるやつと
いちご味のチョコ。
『何で敬語笑 喜んで』
渡す時に少しだけ指が触れて。
すぐ引っ込めたけど、暖かかった。
…何その感想。自分キモすぎ。
ファン越してオタクの感想やんそれ。
きもきもきも。
『Aさーんおいでやー』
申し訳ねぇ。
…あれ？
あたし、小瀧に渡したん2つやってんけど。
レジに置いたチョコの数は4つ。
無意識に図々しさ出てしもうたんか…？
｢560円になります｣
小瀧を見ると、別に何の変化もなくただ普通に560円を出している。
ええ？ほんまにあたし…4つ渡したっけ…
早すぎる認知症？
『あざーす』
平然とコンビニを出る小瀧の背中を慌てて追いかけた。
｢小瀧、あのさあたし｣
『ん！どーぞ』
｢いや、あたし2つだけ渡したつもりやったんやけど
何か4つやったからその分お金…｣
『Aさん欲しそうやったから全部買っちゃった笑
だからいいのー、おまけおまけ！』
お、おまけ？
…行動もイケメンなんか。
ドラマの中でしか聞いたことないって。
いつも目見てもの言えへんけどこれはさすがに
目見るべき出来事。
相手は男版メデューサや。気をしっかり保つぞ。
｢…あり、がとう。嬉しいです｣
言えた！目を見て！石化せんかった！
と思ったら逆に小瀧が顔を覆ってしまったんやけど。
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作者名：カジャ
| 作成日時：2022年9月12日 21時
