黄昏の契り２【忍たま乱太郎】【雑渡昆奈門】

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戦さ支度を終え、見張りを残して再び一同が集められたのは深夜だった。
今夜は月明かりが眩しいほどで、灯りは消していた。


組頭「ベニテングタケへ向かっていた黒鷲隊から、報告が届いた。
ベニテングタケの兵は後詰の長柄が２００超、カノン砲と思わしき積荷が八台に加え砲兵隊、鉄砲隊まで引き連れて進軍してきている。
明朝には到着する見通しだ」


それに全体がざわめき出した。
城攻めにも匹敵する規模の軍勢なのだから当然だが。


組頭「一人足りとも逃すな。この里の場所を知られたからには兵の一人も返してはならん。
全員仕留める。
ベニテングタケ軍が森に入ったら、進軍してきた谷を全て崩して埋め、掃討せよ。
ベニテングタケ城城主も戦さへ出ている。
そのため今ベニテングタケ城は空、殿率いるタソガレドキ軍が攻め落とす。
里の防衛、殲滅はタソガレドキ忍軍だけで担う。
なに、心配するな。
こっちには高所の利と有事の際に仕掛けた大量の罠がある。
実際に崖の近くまでたどり着けるのは１５０がいいところだ」


ひとしきり激励と配置の細かい部分の説明をして解散した。
いきなりあちらから仕掛けてきた戦さだというのに、随分と手際がいい。この機会にベニテングタケを完全に潰すつもりなのだろう。
それよりも、何故隠されているはずのタソガレドキの忍び里の場所が分かったのだろうか。
煙硝蔵の入り口の前の石段に座っている昆奈門様を見つけて駆け寄った。


A「昆奈門様」
雑渡「どうかした？」
A「何故忍び里の場所をベニテングタケは知っているんですか？
どこから漏れたんです」
雑渡「………抜け忍だよ。初めて君と会った夜、私はドクササコ忍者に追われていただろう？抜け忍はあの時ドクササコに逃げ込んでいてね、結局あの後ドクササコも裏切ってベニテングタケに行った」
A「情報を漏らしたのは、その抜け忍……」
雑渡「情報を漏らした、というより吐かされたようだよ。ドクタケで高坂達が捉えたベニテングタケ忍者から、反屋達が聞き出した。
その抜け忍は、ベニテングタケにタソガレドキ忍軍出身だと知られて拷問を受けた。最後には自白剤の使い過ぎで死んだそうだ。
ベニテングタケは、ずっと前からタソガレドキの忍び里の場所を伺っていた」


ということは、その抜け忍がベニテングタケに来たのは前々から欲しかった情報を持っているものがあちらから飛び込んできたに等しい。


雑渡「死んでしまった奴を殺すのは無理だからね」

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