黄昏の契り２【忍たま乱太郎】【雑渡昆奈門】

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手足をのたうち回らせ、飲み込まないようにしようとする大下部の口を塞ぐ。


A「…飲み込まないと息できませんよ」
大下部「ん、ぐが、ぐ！」


しばらく暴れ、ごきゅりと喉が動いたのを確認してから手を離して汚れた手を手ぬぐいで拭う。


大下部「な、何を飲ませた！」
A「お味噌汁。貴方が作った、イヌサフランの毒がたっぷりと溶けた。
実も崩して飲ませたので、半日もすれば吐き気と呼吸困難で死にます」
大下部「な、そんな、」
A「吐こうにも手足は縛られています。
私達も暇じゃありません。
洗いざらい喋ってもらえれば解放します。
ベニテングタケが、ドクタケへ暗殺者を送った理由とかドクタケの後ろ盾のこととか。
貴方しばらく前からドクタケ城に忍び込んでいたんでしょう？暗殺は下調べが入念でないといけませんから。
つまりドクタケがオーマガトキへ攻め込むために得た後ろ盾についても見聞きしているんじゃありませんか？」
大下部「し、知らない！俺はただドクタケ城城主の暗殺に」
A「早く喋らないとーーーどんどん吸収されて吐いても助からなくなりますよ？」


冷たく言うと、大下部は静かになった。


大下部「わ、分かった、話す。話すから！
今回のこの戦、ベニテングタケはドクタケに戦の資金を貸している。ドクタケが園田村を責めるように示唆したのもベニテングタケだ。
この暗殺も、ベニテングタケの頭の命令だ」
A「どうして戦の資金を貸して園田村を攻めさせるように仕向けておいたのに、暗殺をしかけたんだ？」
大下部「タソガレドキを攻めるためだ。
ベニテングタケとタソガレドキは仲が悪い。しかしベニテングタケはタソガレドキよりも戦が上手くない。それは忍者隊の質の違いだ。
だからドクタケを園田村にけしかけたんだ。園田村の薬草がドクタケに奪われれば近隣の城であるタソガレドキは困るだろう。それを防ぐためにタソガレドキはドクタケを向かい打つはず。
タソガレドキは表立って敵城のオーマガトキ領の園田村を守れないから、軍ではなく忍軍を使うはずだと。
ドクタケと忍軍が交戦している間にベニテングタケがタソガレドキの忍び里へ攻め込む。
ドクタケはその為の隠れ蓑だ」
A「？暗殺してしまったらタソガレドキの交戦はなくなってしまうんじゃないのか？」
大下部「戦にいざ出陣という時に城主の体調が急変すれば戦は中止、武器弾薬は消耗されん」

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