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組頭「狼隊は武器の点検と踏鋤の備品数を数えておいてくれ。黒鷲隊は引き続きドクタケの監視、隼隊はオーマガトキへ向かわせた伝令が戻ってきたら報告に来てくれ。
一時解散」
皆「「「「「はい」」」」」


バラバラと部屋を出ていき、部下に指示を出しているなか、雑渡さんが横でため息をついていた。
組頭が出て行ったのを確認してから私の顔を見て、また大きくため息をつく。


雑渡「……はー」
A「…………何ですか?」
雑渡「やっと恋仲になれたのにさ、接触禁止は酷くない?」
A「公私混同しないんじゃないんですか」
雑渡「しないよ!でも身内は別じゃない。
私だって、Aちゃんが忍術学園にいる時にも会いに行きたかったし話したかったんだよ?
でももし命令があれば私は君を殺したし、殺さなきゃいけない。そこの公私混同はしない。
プロとしての線引きがあるからね」


まあそれはもっともだけど。


雑渡「里での仕事中も駄目だったら、私Aちゃん不足で倒れるよ?」
A「何を馬鹿なことを……」
雑渡「だってさ。
ようやく触れられる距離にAちゃんがいて、口付けだってしてもらえて。幸せをもっと感じてたいじゃない」


愛おしそうに名前を呼ばれるのが、とても甘くて。
この人本当に私のこと大好きでいてくれるんだ、っていうのが分かって気持ちいい。


雑渡「一旦屋敷に戻ろうか」
A「はい」


組頭の屋敷を出、狼隊の屋敷へ帰路を歩く途中。
隣を歩幅を合わせて歩いてくれている雑渡さんを見上げた。
歩くたび振られる手と交互に見ながら、背が高いし手が大きいなぁと思った。
ふと手を見ながら思いついたことを口に出す。


A「手」
雑渡「ん?」


足を止めた雑渡さんが聞き返した。


A「手、繋ぎません?」
雑渡「…………なぁに、どうしたの。嬉しいけど」


茶化したように笑い、ゴツゴツした男の人らしい指が私の手をとって歩き出した。


A「口付けはしましたけど、手を繋いだことはなかったでしょう?」
雑渡「確かにね……子供っぽいし手が塞がるだけだと思ってたけど、これは存外楽しいものだね」


普通に繋いでいた手が、ゆっくり指の間で指を組む形に変わる。それを引き寄せてピタリと体が添うように繋がれた。


雑渡「うん。ーーーーーーー幸せ」


ふふふ、と笑うのを見上げ、満足感で満たされる。
ふ、と笑い返すと雑渡さんはきょとんとしてからまた笑った。


雑渡「笑った顔、可愛い」

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設定タグ:忍たま乱太郎 , 雑渡昆奈門 , タソガレドキ   
作品ジャンル:アニメ
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みずけい - すごい…お上手ですね!絵も作品も設定も!とても面白いです。尊敬しちゃいます (1月6日 16時) (レス) @page26 id: 56c1fb1e39 (このIDを非表示/違反報告)
乾 巽(プロフ) - 涙さん» ああ!!すみません変換完全にミスりました!ありがとうございます! (2019年10月13日 19時) (レス) id: 31c0208f5b (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 92話祝元になってますよ? (2019年10月13日 19時) (レス) id: 5e09944bd4 (このIDを非表示/違反報告)
彼は誰時 - 最近、組頭に沼ったのですが…ここが楽園か……最高です!まったり更新待ってます! (2019年10月13日 19時) (レス) id: fd426a3898 (このIDを非表示/違反報告)
乾 巽(プロフ) - 名無し65455号さん» ありがとうございます!ミスってました直しときますね! (2019年9月17日 15時) (レス) id: 14131fd91c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:乾 巽 | 作成日時:2019年8月17日 11時

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