誓約 ページ8
また、何文字以内で書けという制限はなかった。
魔女は誓約書では嘘はつけないし、後から「こういう条件がある」と後出しすることもできない。
普通、２分で書けと言われたら人間は焦って短い願いや簡単な願いしか書けない。
魔女はいつもそこを突いて魂を奪ってきた。
いきなり言われた説明の中から正解を見つけ、それをすぐさま書き込める人間がいるとは思っていなかったのだ。
『決して嘘はつかずに口上だけで魂を奪い取る』という魔女に有利な底意地の悪さ勝負に、Aは勝った。
Aの書いた誓約書はこうだ。
Aの願いは、「下記のことを厳守すること」という願いだ。これは代償無しで必ず叶えなければならなかった。
また下記の項目が、
「誓約書に私が名前を書いた瞬間から私及びその周辺全てに間接的直接的に危害を加えることを禁じ、今後私がこの誓約書に書き込む事柄を代償なしで意向どおりに叶える。
初めの【願いごと】の真横に書かれた事柄を１つ目の願いごととして認識する」
最後の３行さえなければ、魔女は「私がこの誓約書に書き込む事柄を代償なしで意向どおりに叶える」を１つ目の願いごとだと判断し、それ以外の願いごとの代償として魂を奪っただろう。
そして羊皮紙の丸まった部分に書き込まれた「私をかもめ学園の怪異とすること」という文字。
俺と同じ怪異になったAだから触れたのだ。
「書くの速い…頭いい…」
「毎日授業終わりの２分で黒板写してるからね」
「ぷっ、」
思わず吹き出してしまった。
「あはは、ははは。
何それ〜」
「でも、怪異になれて良かった。
花子くんの涙も拭えるし、ね」
そう言って笑ったAの体の後ろには、Aの体があった。
死んだのだ。
怪異になったことで魂が肉体から分離した。
そこでようやく合点がいった。
Aの寿命は、最初から今日までだったのだ。
未来は変えられない。Aが魔女との勝負に勝って怪異となる為に死ぬことも、決まっていたんだ。
そりゃあいくら家系の守護力が強くたって死ぬわけだ、魔女の誓約書に自分からサインするんだもの。
Aは能天気に自分の肉体を見て呟いた。
「憑依ってできるのかな」
「試してみたら？ていうかせめてもっと目立つところにやらないと腐るよ」
「人の体腐るとか言わないでよ、もう」
「事実でしょ」
「まぁそうだけども」
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ほのか - やばい。私の好みにどんぴしゃり！ (2020年8月4日 9時) (
レス) id: ef884c23cc (このIDを非表示/違反報告)
?返事がない、筆記試験終了の安心で寝ているようだ(プロフ) - ひえっ、めっちゃ細かく考えられてる、すげぇ… (2020年2月15日 8時) (レス) id: e085487720 (このIDを非表示/違反報告)
すばる - 乾 巽さん» ですよね!!うぅ〜......土籠先生... (2020年2月5日 17時) (レス) id: f38b18c5a9 (このIDを非表示/違反報告)
乾 巽(プロフ) - すばるさん» そうなんですか…いきなりログインできなくなる系困りますよね (2020年2月2日 17時) (レス) id: a83f0b56fb (このIDを非表示/違反報告)
すばる - 乾 巽さん» わああ!!ありがとうございます!!!それがですね、設定ってどこぞや?と思って血眼で探したらログインしないと出てこない系でした...Wii Uなんで、前ログインできてたんですけど何故か去年の夏からログイン出来なくて...ぴえん(；ω；) (2020年2月2日 17時) (レス) id: f38b18c5a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：乾 巽 | 作成日時：2020年1月19日 11時
