助けなきゃ ページ30
霊刀が引き抜かれ、地を這って動こうとする花子に輝兄が言う。
「もう諦めなよ。何年も此岸にいたんだろ？君はそろそろ罰を受け入れるべきだ。
安心しなよ、君たちは仲が良いみたいだから順番にちゃんと送ってあげる。一緒に償っておいで」
「……罰？」
乾いた笑いが太郎の口から溢れ、がくがくと震える手足を動かして立ち上がった。
「あは、あははは……消えて罪が消えるんだったら、どんな救われただろうね。先に死んでいく相手を見届けるなんて辛い思いしなくて済んだだろうに」
「…何？自分はもう辛い思いしてますって言いたいわけ？」
ざくり、と再び霊刀が太郎に突き刺さって電撃を送り込んだ。絶叫と共に地に倒れ伏した太郎を、花子が片手で庇いながら輝兄を見上げた。
「____生きてる奴はみんなそうだ。死ぬことが、消えることが、一番の償いになると思ってる。ヒトゴロシの存在ひとつっきりで償えるものなんて何もないのに。
だったら、消滅なんてただの救いだ！
俺にはまだここでやらなきゃいけないことがある‼」
涙をこぼして叫んだ花子に、今まで怪異のくせに人助けしたりオレ達を守ったりしてくれた時のことを思い出した。
______全部、あいつなりの罪滅ぼしなのか？
太郎もそうだ。オレを助けようとしたのも、罪滅ぼしなんじゃねーのか。消滅して罪が消えて救われるなら、あいつらは救われることを選ばず罪を受け入れて償おうとしてんじゃねーのかな。
本当のことなんて、分かんねーよ。兄ちゃんの言う通りオレは何も考えない方がいいのかな。
でも、そんなことできるかよ！
「…そう、君たちには君たちで色々事情があるんだね。でも」
冷たく言い放った輝兄の霊刀が、花子の胸に突き立てられた。
「どうでもいいんだよね、そういうの。君らは危険な怪異だ。だから祓う。
それだけ」
終わりだ、という声がする前に数珠から体を抜いて霊刀の刀身を握りしめて引き抜いた。
痛みが走り、雷撃が感電する。
俺が拘束を抜けたことに驚いた輝兄の刀を握る力が緩む。
「お前、どうして。いつの間に拘束を」
「うらああああぁ！！」
刀身を握りしめて体重をかけて押すと、刃が手をさくさくと傷つけていく。
霊刀を奪い取らないと。
「光、やめろ！手が」
静止の声も聞かずに首根っこ捕まえて地面へと押し倒し、霊刀を手からもぎ取った。
ぼたぼたと血が落ちる。
息を整え、シャツを掴んで持ち上げた。
「光…血が出てる」
「バカにすんじゃねー！」
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ほのか - やばい。私の好みにどんぴしゃり！ (2020年8月4日 9時) (
レス) id: ef884c23cc (このIDを非表示/違反報告)
?返事がない、筆記試験終了の安心で寝ているようだ(プロフ) - ひえっ、めっちゃ細かく考えられてる、すげぇ… (2020年2月15日 8時) (レス) id: e085487720 (このIDを非表示/違反報告)
すばる - 乾 巽さん» ですよね!!うぅ〜......土籠先生... (2020年2月5日 17時) (レス) id: f38b18c5a9 (このIDを非表示/違反報告)
乾 巽(プロフ) - すばるさん» そうなんですか…いきなりログインできなくなる系困りますよね (2020年2月2日 17時) (レス) id: a83f0b56fb (このIDを非表示/違反報告)
すばる - 乾 巽さん» わああ!!ありがとうございます!!!それがですね、設定ってどこぞや?と思って血眼で探したらログインしないと出てこない系でした...Wii Uなんで、前ログインできてたんですけど何故か去年の夏からログイン出来なくて...ぴえん(；ω；) (2020年2月2日 17時) (レス) id: f38b18c5a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：乾 巽 | 作成日時：2020年1月19日 11時
