殺意と包丁 ページ20
「そのあと警察が来て、私は自己防衛で無罪だったけどもう町には居られなくなったの。
父さんは、今は精神病院にいる。
私が誰なのか見えてないみたい。
父さんは今も、家族全員で幸せに暮らしてる夢を見てる。
祖父母に引き取られてこのかもめ学園に転入してきたら、土籠先生が担任になった」
顔を伏せながら話を切ったAの頬に触れ顔をあげさせた。
話を聞く限り、小雪さんという人は救われたと思う。
死ななきゃ正気に戻れないと知っていたから、殺されることを受け入れた。
人殺しを殺すのは罪か？罪だよ。
俺がつかさを殺したのは。
俺だけが傷つくなら別に良かった。俺は我慢してたし、我慢できてた。
誰がその行為を咎めても、世界中がつかさを許さなくたって俺は許した。
けど、駄目だ。他の人を巻き込むことだけは。
俺で遊んでいるぶんにはいいから、何でも許すから。
ある日俺は気がついてしまった。というより、昔から懸念していたことが確信に変わった。
つかさは、いつかきっと人を殺す。
虫って血が流れてるのかな？と言いながらカマキリを千切った幼いあの時のように、興味、悦楽、そういうものを素直に追い求めるつかさは、無邪気な顔で残酷なことをする。
きっと興味津々の笑顔で、嬉々として命を奪う。
何で分かるかって？
分かるに決まってるよ。
たった１人の弟で、双子なんだから。
つかさが人を殺すくらいなら、俺がつかさを殺す。
罪を犯す前に、俺が止めなきゃいけないんだ。
「あまね！大好き」、とつかさは言う。俺も好きだよ。嫌いなわけない。
大切な家族だから。大好きな血を分けた弟だから。
包丁を振り下ろそうとした瞬間、手が止まった。
俺の下でつかさは笑っていた。
そこでようやく気がついた。
_______俺、つかさに怒ってたんだ。
小さい頃からほんの僅かずつ溜まり続けた不満。兄弟愛、家族愛を差し引いてもあまりある不満。
つかさに人を殺させたくないなんて思いながら、今俺は“つかさを殺したくて”包丁を握ってるんだって。
ずっと我慢してきたこと。それをやめた瞬間に俺は包丁を振り下ろした。
最終的に包丁を振り下ろしたのは、明確な俺自身の殺意だった。
「花子くん、…
私もいつかこんな風にあっさり消えて無くなるんだろうなって」
「…変な気分だったよ。
体が半分消えたみたいに寂しかったような気もするし、妙に頭が冴えてた気もする」
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ほのか - やばい。私の好みにどんぴしゃり！ (2020年8月4日 9時) (
レス) id: ef884c23cc (このIDを非表示/違反報告)
?返事がない、筆記試験終了の安心で寝ているようだ(プロフ) - ひえっ、めっちゃ細かく考えられてる、すげぇ… (2020年2月15日 8時) (レス) id: e085487720 (このIDを非表示/違反報告)
すばる - 乾 巽さん» ですよね!!うぅ〜......土籠先生... (2020年2月5日 17時) (レス) id: f38b18c5a9 (このIDを非表示/違反報告)
乾 巽(プロフ) - すばるさん» そうなんですか…いきなりログインできなくなる系困りますよね (2020年2月2日 17時) (レス) id: a83f0b56fb (このIDを非表示/違反報告)
すばる - 乾 巽さん» わああ!!ありがとうございます!!!それがですね、設定ってどこぞや?と思って血眼で探したらログインしないと出てこない系でした...Wii Uなんで、前ログインできてたんですけど何故か去年の夏からログイン出来なくて...ぴえん(；ω；) (2020年2月2日 17時) (レス) id: f38b18c5a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：乾 巽 | 作成日時：2020年1月19日 11時
