バルガスキャンプ31 ページ26
◇
「はあ……赤点はとるなよ。バルガスがうるせえからな」
「Aちゃんは知ってたの？」
妖精たちが恐れている理由をレオナが話す前にAが何かを思い出している様子だったことに気がついたユウがAに聞くと、Aはにこりと笑って頷いた。
『うん。私が小さな頃にね、おばあちゃんが話してくれたことがあったの』
「あ、そっか。Aちゃんのおばあちゃんは妖精なんだよね」
「A、あいつらには気をつけろ」
『レオナ……？』
ユウと話しているAの腕を引き、視線を合わせるレオナの表情はどこか苛立っているように見える。
何か彼の気に触ることがあっただろうか、Aはレオナの名前を呼ぶ。
「あいつらお前に興味を示してやがった」
「ええっ！？ それマズいんじゃないッスか！？」
『そう、なの……？』
「妖精ってのは人間を怖がる奴等が多いが、中には逆の奴等もいる。自分たちの言葉が理解できる珍しい人間に興味を持った奴等とかな」
「レオナサン、ラギーサンが焦ってましたけど、妖精に気に入られたら何かまずいんですか？」
エペルからの疑問にレオナは本当のことを話そうか悩んだ。
本当のことを言えばAを怖がらせてしまうのではないか。
妖精は小さくて可愛らしい存在、だけではなくその愛らしい姿とは反対に残虐な面も持っている。
妖精に気に入られ、心を許してしまえば身体の一部を奪われ、あちらの国に誘われることがあると。
不安げに瞳を揺らして自分を見つめるAにレオナは全てを話すことをやめた。
「……悪い妖精ばかりじゃねえ。まあ……Aのばーさんみたいな悪戯好きな奴等が多いのは間違いない。気に入った人間を自分たちの国に閉じ込める、という噂もある」
『とじ、こめる……』
「もちろんオレらがAをそんなことにはさせないッスから、そんな不安そうな顔しないで。ね、ユウくん」
「はいっ！ みなさんがいない間は僕がAちゃんを守りますっ。その為に僕は強くなったんだから」
『ユウくん……ありがとうっ』
「へへっ、うん」
魔法は使えないが、Aを守りたいという一心でこれまでユウは己を鍛えてきた。
今ならサバナクロー寮生とでも互角に戦える程に。
妖精などにAは渡さない、ユウはそう心に決めた。
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ここ(プロフ) - ミコミコさん» ミコミコさん、コメントありがとうございます^_^セベクの純粋なところ可愛いですね…！ (2021年12月8日 8時) (
レス) id: e9ce79e520 (このIDを非表示/違反報告)
ミコミコ - セベクが可愛い…………(^^) (2021年12月8日 6時) (レス) @page12 id: f5d7639b7a (このIDを非表示/違反報告)
ここ(プロフ) - 翡翠さん» 翡翠さん、まさかセリフを覚えてきたとは、Re:startのお話のでしょうか！？もしそうだとしたら凄いです…っ！！ (2021年7月25日 19時) (レス) id: e9ce79e520 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠 - いやー、セリフ地味に覚えてきましたねw (2021年7月25日 14時) (レス) id: 34ae80e840 (このIDを非表示/違反報告)
ここ(プロフ) - 翡翠さん» 毎日1話…！もうセリフとかも全部完コピできちゃいそうですね…！応援本当に嬉しいです、ありがとうございます(*^_^*) (2021年6月18日 21時) (レス) id: e9ce79e520 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ここ
| 作成日時：2021年5月7日 12時
