229 ページ38
◇
カリムに案内されて2人は宝物庫にやってきた。
扉を開けると、金貨や宝石の山。
夜であるはずだがこの部屋だけが光輝いていた。
「ああ………やはり。近くで見ると一層素晴らしい。カリムさん、この鮮やかなピーコックグリーンの反物は？」
「それは絹で織られたものだな。すげー昔、王族は王族としか結婚できないって法を改正して、スラム育ちの平民の男と結婚した姫さんがいて、その姫さんがよく着てた色なんだ。熱砂の国でその色は男女共にすごく人気がある。あ、Aちょっと待っててくれ」
『どうしたの？』
「あったあった。これ、Aに似合うと思って！」
『ピーコックグリーンの花の髪飾り？』
「これなら派手じゃないから普段も着けやすいし、気に入ってくれると思ったんだ。つけてやるよ」
『こんな高価そうなもの、いいの？』
「Aに貰ってもらったほうがこいつも幸せだって。うん、似合ってるな、可愛いぞ！」
『ありがとう、カリム。大切にするね』
「ふふ、本当によくお似合いですね」
つけてもらった髪飾りにAは嬉しそう触れ微笑む。
喜ぶAを見てカリムも嬉しそうだ。
「本当に素晴らしいものばかりです。これだけの宝物、きっと管理も大変でしょう？」
「管理はジャミルに任せきりなんだ。たまに虫干しもしてくれてる」
「ジャミルさんは本当に優秀な補佐官でらっしゃいますね。アズールも褒めていました」
「へへ、そうだろ？アイツはすごいヤツなんだ。オレに魔法や勉強を教えてくれたのもジャミルでさ。家庭教師なんかより、ずっと教え方が上手くて。あ、ダンスもすげー上手なんだぜ。なんでか、あんまり人前では踊らないけど………」
カリムの言葉からはジャミルを心から信頼しているのと、好きだという気持ちが伝わってくる。
「………そんなに優秀なジャミルさんは、今の貴方についてなにも仰らないのですか？」
「え？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1369人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ここ(プロフ) - ガムテープ(主食)さん» お返事が遅くなってしまってすみません💦本編だけでももう700話は超えてました^_^短編集を入れるとさらにとんでもない話数という…。たくさんのあたたかい応援のおかげでここまで頑張ってこられました✨いつもありがとうございます(*^_^*) (2021年10月8日 12時) (
レス) id: e9ce79e520 (このIDを非表示/違反報告)
ガムテープ(主食) - 今はもう通算500話はいってるんですよね‥！こんな続いてる話、中々ないんじゃないんですかね‥！きっとこの作品が素晴らしいのは作者様が素晴らしいからですね！これだけはきっと誰も否定しないと思います！4章楽しみです！ (2021年10月6日 18時) (レス) @page8 id: b67168fa9e (このIDを非表示/違反報告)
ここ(プロフ) - Alice_Liviloveさん» コメントありがとうございます^ ^ゴーストマリッジのお話はRe:start�靴�104話以降になります(*^_^*)よろしくお願いします^ ^ (2021年4月8日 18時) (レス) id: e9ce79e520 (このIDを非表示/違反報告)
Alice_Livilove(プロフ) - 更新お疲れ様です。ゴーストマリッジのお話ってありませんでしたか？（他の作品も読んでいてハッキリ覚えていないのですが、、）ありましたら、何話か教えていただけないでしょうか？？ (2021年4月8日 15時) (レス) id: 9f1bdc28b4 (このIDを非表示/違反報告)
ここ(プロフ) - あーちゃん！さん» 一気読みしてくれてありがとうございます^_^カリムくんとジャミルくん、良いコンビですよね。ジャミルくんのお母さん感が強くて好きです。目の腫れ、落ち着いてきました！ご心配をおかけしてすみません…！ (2020年11月8日 18時) (レス) id: e9ce79e520 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ここ
| 作成日時：2020年10月18日 7時
