◇ ページ14
◇
「無理無理無理無理、絶対無理ですって！！」
「ここまで来たんだから諦めなよ、兄さんっ！」
「だだだだって拙者みたいな陰キャが学園の天使A氏にキスをするなんて烏滸がましいにも程がありますし！」
「A・ドリーミィさんがずっと眠ってていいの！？ 兄さんに唯一笑いかけてくれる優しい人が、ずっと眠ったままでいいの！？」
「うっ……」
「兄さんがしないなら、僕がする！」
部屋の隅で蹲っているイデアを放っておいてオルトはAの頬に優しく唇である部分を触れさせる。
「どう？ 機械の僕ができて兄さんはできないっていうの？」
「ぼ、僕だって……できるし」
「うん。兄さんは本当はできる人なんだよっ。みんなでA・ドリーミィさんを起こしてあげようっ」
オルトに煽られその勢いでできる、と言ったはいいものの。いざAの目の前にくると足が竦んでしまう。
自分がキスなんてしてAに嫌われないか。嫌われでもしたらもう立ち直れない。
しかし、Aがこのままずっと目を覚さないのは、耐えられない。
「A氏、ご、ごめんっ」
イデアは謝るとおでこに触れるだけのキスをしてすぐに離れた。
「も、もう拙者10年分くらいの気力を使い果たした……」
「A・ドリーミィさんの目が覚めるといいね！」
◇◆◇◆
「僕たちが最後か」
「気持ちよさそうに眠っておるのう。まるで眠り姫じゃな」
「うっ……気持ちよさそうに眠っているAを見ていると睡魔が……」
「起きろシルバー！！ こんなところで寝るんじゃない！！」
セベクの大声でもピクリとも動かないAは規則正しい呼吸をしたまま眠り続けていた。
「僕が一番にしよう」
「もちろんです、若様！」
マレウスは眠るAの唇に優しく自分の唇を重ねると愛おしげに髪を撫でる。
「くふふ、一体何人がAの唇にキスをしたのかのう。さて、次はわしじゃな」
「親父殿は頭ですか。俺は……」
「ほう、シルバーは手の甲か。妥当なところじゃな」
「セベク、お前で最後だ」
「わかっている！」
セベクはシルバーと反対の手を取り手の甲にキスを落とした。
これで22人からのキスをAは与えられた。
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ここ(プロフ) - 監督生さん» 監督生さん、いつも嬉しいお言葉をありがとうございますっ。連載当初から書き方を何度か変更したり、と工夫をしていたのでそう言っていただけると嬉しいです。それぞれの物語に入り込んで書いているので、思い入れの強いものは特に感情が強いかもしれません^ ^ (2021年6月30日 17時) (
レス) id: e9ce79e520 (このIDを非表示/違反報告)
監督生 - やっぱり読みやすいしあとは、ものすごくスートリーによって感情が違う (2021年6月30日 16時) (レス) id: c9903e0c6f (このIDを非表示/違反報告)
ここ(プロフ) - 月祈さん» 月祈さんユウくんを好きと言ってくださりありがとうございます^_^現在リクエストはお受けしていないのですが、ちょうど次に更新するお話がユウくん落ちになる予定のお話となっておりますので、そちらを読んでいただけますと嬉しいです^_^ (2021年3月18日 10時) (レス) id: e9ce79e520 (このIDを非表示/違反報告)
月祈 - 僕監督生（ユウくんが好きなんですけど、監督生オチの話が欲しいです！！ (2021年3月18日 1時) (レス) id: 0d2fd88c3c (このIDを非表示/違反報告)
ここ(プロフ) - 海月くらげさん» こんな感じの学園長先生になりました〜^_^確かに！今時20歳くらい離れてても珍しくないですよね！……もしカラ…学園長が100歳とかだったら犯罪レベルですが（笑）生徒先生方に焼き鳥として美味しく頂いてもらいましょう。ちなみに焼き鳥の部位だとももが好きです。 (2021年3月10日 22時) (レス) id: e9ce79e520 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ここ
| 作成日時：2021年2月22日 17時
