Believer req

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暗い部屋に連れられて腕を離される。
見えないから分からないけど、掴まれていた腕の部分が微かに熱かった。



ベッドにトスンと座りこむ音。



『…こっち来いや』



声が低い。
けれど決して怖いわけではなく、低くて甘い丁度いい感じ。
耳が幸せになる感じって言ったら分かりやすいかな。



「しげ怒ってるもん。嫌だ」


『怒ってへんから来いって』



大きいベッド。
遠慮気味に端っこに座って。



『…何でそんな遠いねん』


「座ったじゃん」


『屁理屈やなほんま』



寄ってくる気配がしたから反射的に逃げてしまった。
追いかけられると逃げたくなる…みたいなあるじゃん。
……ない？



しばらくそんな追いかけっこを無言で続けて。
ベッドから離れてベランダの方へ逃げようとしたところでついに捕まった。



『…ざんねーん』


「捕まってしもうたか…」



ジリジリとにじりよるしげが月に照らされ、すごく綺麗。
もう下がれないというところまできた時。



ふっ、って口角を上げてあたしの腰を抱きしめた。
首筋に冷えたキスが落ちる。



『…勉強ぐらい俺が教えるわ』


「…しげ、寝ちゃってたから」


『小瀧と二人になるぐらいなら起こせ』


『…俺ほんま妬くから』



可愛い。
可愛すぎるのでは。



どうにか表情を見たくてしげから離れてみるけど、強い力で引き寄せられるから抵抗できず。



「しげ顔見せて」


『嫌』


「…大毅」


『っ、もう…』


「可愛いー笑」



耳まで真っ赤なのがよく分かる。
今すぐ飛び出して自慢しに行きたい。



あたしの彼氏可愛いんですよー！



って。



近所迷惑もいいところ。

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