変装屋少女の愛され秘話本編【文スト】 (ページ23)

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第三十一話中原中也ver. ページ23

Aside

「お待たせしました、Aさん」

「すみません、迎えにまで来てもらって…」

樋口さんが自宅まで車で迎えに来てくれた。

結局、中也の汚濁がある為ポートマフィアの方へ行くことに決めた。

流石に太宰さんをこっちに来てもらうのは無理があるし…

「Aさんは中原幹部とはどのような関係なんですか?」

ポートマフィアの拠点までの間、樋口さんと色々話した。

「小さい時に知り合ったんです。で、何度も話すうちに仲良くなって、ボクにとっては親友ですよ」

その言葉は嘘じゃなかった。

まぁ中也はどう思ってるか知らないけど

「そうなんですね!でもなんでAさんはポートマフィアに入らなかったんですか?」

「んー、中原は中原でその時背負っていたものもあったし…ボクはボクでもう仕事をしていたので」

樋口さんはうんうんと頷きながら聞いてくれる。

他にも樋口さんと話したかったけど、残念ながらもう着いてしまったようだ。

「着きました」

樋口さんとは分かれ、案内係と共に最上階へ行くと、森さんがいた。

「よく来てくれたね」

「いえ、大丈夫です」

…ぶっちゃけ大丈夫じゃ無かったけどね

「A!会いたかったわ!」

エリス嬢は私を見つけると飛び込んできた。

はぁ…可愛い…

「ボクもだよ、エリス嬢」

互いにきゃっきゃと触れ合っていると、突然森さんは真面目な声で

「そう云えば、A君の女装姿が可愛いと耳にしたのだが、本当かね?」

な、

「本当よ!!!」

えええ!?エリス嬢!即答はやめてっ

「かっ、可愛くなんてないですよ!!いやぁその、ほんとに!」

これに関してはエリス嬢も味方してくれない、誰か助けてくれる人…ってここ最上階だしぃ…

その時、コンコンとノックが鳴り響いた。

おっ助けが来たかも?

「入りなさい」

「失礼します、首領」

おぉっ中也!助かった、ていうか、助けて!!

目線で必死に訴える。

「そう云えばチュウヤも見たわよね」

「な、何かあったんですか?」

中也は状況が読み込めないまま聞く。

「A君の女装姿が可愛いと聞いたものでね。それが本当かどうか聞いていたところだよ」

「可愛かったわよね?チュウヤ」

私は思いっきり頭を横に振った。

で、少し悩んだ末口にした彼の答えは、

「…可愛かったです」

……………

「ほら!」

「では今の件が片付いたら見せてもらおうかな」

「、断固お断りします」

はぁ…無理矢理にでも太宰さんにお願いして探偵社の方に行けばよかったかな