無駄だから ページ28
スゥ…と目が開く。
そこで驚愕してしまった。
…目が、「紅い」…
…まさか…
「…ふぅん?「鬼の口付け」か…昔つけようとしてたよねぇ、そうはさせなかったけど。けどまぁ、今回は危なかったよ。もうちょっとでAがアンタの人形になる所だったんだから」
姿はAなのに、声は女のもの。
ハ「…お前は、どこまで…!」
俺を邪魔をするんだ。
「はぁ…理解力が無いねぇ…じゃあ改めて言うけど…」
そう言って、俺の方を見た。
「君みたいなのを近づけさせない為に私はいるの。Aの為に君を生かしておいてあげてたけどさ…やっぱりあの時、殺しとけばよかったや」
ハ「…ッ!!?」
いつの間にやら夜見は俺の後ろに回り、俺の首筋に黒く艷めく刀を置いていた。
ほのかに血の香りを感じる。
「…今回は見逃してあげるよ。こんな警告をしたところで無駄だろうけど。…次Aに手を出してみろ、君の首を刎ね飛ばしてやるから」
そう言って刀は消え、同時に背中に重さを感じた。
Aに意識はないらしい。
とりあえずソファに寝かそう。
…この光景だけでも欲を抑えるのに必死だ。
ハ「…あー、もう…」
ちょっとするくらいならあいつもなんも言わないだろ…
チュッ
唇に触れるだけのキスをした。
ピクっと動いたが、もう暫く意識は戻らなそうだ。
…理性、抑えられるかな…((
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
『■吞■子!』
[何だ?A]
…前と同じ、ノイズがかかって聞こえない。
前よりは聞こえるけど…
忘れちゃいけない気がするのに、記憶は蝕まれていく。
『あげる!』スッ
[!作ったのか、これ]
小さい時の俺が、誰かに花冠を乗っけている。
…誰なんだ、コイツは。
姿が、よく見えない…
パチッ
「…あ…?」
目が、覚めちまった。
ハ「あ、おはよう。よく眠れた?」
「あ、おう…てか、なんで俺ここで寝てたんだ…?」
ハ「…疲れてたんじゃない?隈あったしね。ちゃんと寝てる?」
ハルヤが心配そうに覗き込んでくる。
「…まあ、大丈夫だ。そういやさっき夢を見たんだよな」
ハ「どんな夢?」
「…ちっちゃい時の俺が、誰かに花冠をあげてる夢。つっても、声にはノイズがかかってるし、花冠あげた奴は見れなかったし…って、どした?」
ハルヤが硬直している。
ハ「…や、なんでもないよ」
「そうか…って、やべぇ!今すぐ帰んないとまた説教される!!じゃあな、ハルヤ!」
そのままハルヤを見ずに走った。
ハ「…もうじきだな、思い出すのも」
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クランドール・ブラッディ - ヤンデレ来て欲しいです!お忙しい中ありがとうございます! (2021年5月4日 22時) (レス) id: fad690bd23 (このIDを非表示/違反報告)
胡蝶黒狐@(プロフ) - ありがとうございます!ヤンデレは正義と思ってるのでもっと頑張ろうと思います! (2019年4月22日 13時) (レス) id: 82343ea2fc (このIDを非表示/違反報告)
まらそ - ヤンデレは読んでて怖楽しい!(?)これからもお忙しいかもしれませんが、頑張ってください。 (2019年4月22日 13時) (レス) id: 16a78ad417 (このIDを非表示/違反報告)
胡蝶黒狐@(プロフ) - ありがとうございます!はわわ…すっごい嬉しいです…!! (2019年3月30日 8時) (レス) id: 82343ea2fc (このIDを非表示/違反報告)
甘納豆 - 最高にいい作品だと思います!続き楽しみにしてます (2019年3月30日 3時) (レス) id: 38976ecf1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:胡蝶黒狐@ | 作成日時:2019年1月14日 23時