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「……そうか、トランプか」

「へっ?」



急に志麻さんが、ポンッと可愛らしい音を立てて手を打ち、明るい声をあげた

トランプ?トランプって??


疑問符を浮かべて聞き返すと、少し興奮気味に彼は私に言った



「ほら、この魔物達のマークだ。
クラブにスペード、ハート、そして、ダイヤ!

これはトランプのカードに使われているマークやろ?」



思わず目を細めてしまった。え、それだけ?
この4つのマークがトランプのカードのマークであることは誰だって見れば分かる事だ


なんでそんな事を今更?

どう考えたってトランプとこの問題が関係があるようには見られないのに


期待はずれの返答に、不満を交えた目を向けると彼に、話を最後まで聞けと窘められた。




「A、トランプのカードには意味があるのを知ってるか?」

「カードの、、、意味??」


「そう、諸説あるんやけど、トランプは東洋で生まれて、ヨーロッパや世界中に広がっていったとされている。

そして、そのトランプには、カードの枚数、色、絵札の顔の向きなど、全てに意味がある。

もちろん、マークにも」



そこで一息つくと、彼は説明を続けた。



「スペードは死を、ハートは愛を、ダイヤは、富を。クラブは『知恵』を表している」

「知恵…!」

「そう、だからこの問題文の知恵は、クラブの事。クラブの宝石を持っているのは」





堕天使だ




その瞬間、志麻さんが走り出す。
突然のことに驚いて、目でそれを追うと彼の走る先に、クラブの緑柱石が浮いていた。



「待って!私も」

「お前はそこで待ってろ!また、部屋に変動が起きたら、危ないやろ!」




私が反論する前に、彼は大広間を駆け、あっという間に部屋の反対側へと着いていた。



ふいに、カタカタという音が聞こえた。

緑柱石に手を伸ばす志麻さんの上で、さかさまになっているチェストが、ひっくり返った重力に耐えきれず、落ちそうになっているのだ!!



「危ない!」

「え?」



チェストと天井となった床の境目がぱっくりと別れた。重力のまま、彼へと目掛けて落ちていく‼

叫び声をかき消し、ドォンッ!!!!とお腹に響く墜落音が辺りに轟いた。



「し、志麻さん!大丈夫ですか!?」



慌てて近寄るも、志麻さんの姿は見えなかった。ま、まさかチェストの下に…‼

屈み込もうとして、あの低い声が飛んでくる



「阿呆か、生きとるわ」



その手には、クラブの緑柱石がちゃんと入っていた。

7.一時の休息→←○



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。りうむ 。 - そうなんですね(´∀`*) 覚えていてくださって嬉しいです!(>ω<*) (2020年5月12日 23時) (レス) id: a1d0ac6eed (このIDを非表示/違反報告)
ユン(プロフ) - 。りうむ 。さん» あぁっ、りうむさん!!前作に引き続き、コメント、そして応援までありがとうございます!!そう言って貰えて嬉しいです!ちょっと張り切って作ってみました笑笑 (2020年5月12日 0時) (レス) id: ca6f64574e (このIDを非表示/違反報告)
。りうむ 。 - 1ゲームごとの画像を細かくつくっていてすごいですね!!(語彙力がなくてすみません(>< )) 応援してます!!(´ω`*) (2020年5月12日 0時) (レス) id: a1d0ac6eed (このIDを非表示/違反報告)
ユン(プロフ) - 紅灯-あかり-@crewさん» コメント、ありがとうございます!そう言って頂けてすごく嬉しいです(≧∇≦)これから志麻さんが大活躍(?)する予定なので、良かったら見に来てやってください笑 何時でもお待ちしてます! (2020年4月28日 21時) (レス) id: ca6f64574e (このIDを非表示/違反報告)
紅灯-あかり-@crew(プロフ) - 初コメ、一コメ失礼します!あ、すきです。志麻くんに首絞められるの見てゾクゾクしちゃった自分がキモくて怖いです(震え声)何時も見てます!更新頑張ってくださいね! (2020年4月28日 0時) (レス) id: 7ac7f90b4f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ユン | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年4月13日 14時

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