7.魔界の伝達 ページ21
「んじゃあ、読むぞ」
全員が席に着いたのを確認して、うらたさんが懐から封筒を取り出す。天使の翼の紋様の付いた赤い郎を剥がした。
三つ折りになった便箋を開くとうらたさんは一息ついて読み上げた。
『全世界ノ収穫祭ヲ送ル魔物ノ皆様ヘ
下記ノ事項ヲ確認シテ頂キタク。
1.“運命混交”ノ不調ニ依、生贄未ダ決ラズ。
2.祝祭ノ日程モ未定。
3.生贄ハ破カラニ十路ノ子供ト推定サレル。
4.期限前ニ人間ヲ喰ワ無用
規則ヲ重ンジ収穫祭ヲ愉シム事』
◈◈◈◈
「え、どゆこと……」
つい、思った事がポロッと漏れた。
なんか、頑張れば読めなくもなさそうな気がするけれど、何せ漢字と片仮名のパレードだ。読む前に気力が消えていったのは言うまでもない。
誰かに解説を求めようかと私が声を発するよりも早く、センラさんが深刻な顔をして呟いた。
「
「でぃ、でぃすてぃにー？」
何ですかそれ……
新たに追加された謎単語にクエスチョンマークを付けて、聞き返すとセンラさんの変わりに志麻さんが答えた。
「運命混交は、今年魔物に攫われてきた人間の中から、魔王の生贄を決める為に行われる占いの事や」
「占い………ですか」
「じゃあ今年の伝達が遅かったんて生贄が決まらんかったからって事なん？」
「多分な」
「え、それ結構ヤバない」
坂田さんの表情が真剣になった。
あぁ、そっか。確か魔王が生贄を食べないとハロウィンは終わらないんだっけ。
「でも、生贄の推定年齢がでとるから、運命混交の調子もまァ戻ってきとるんちゃう？」
「だといいんですけど……」
「センラさんは何か気になる事でもあるんか」
志麻さんの問い掛けにセンラさんが重々しい顔で頷いた。
「こんなの前代未聞です。魔界歴の中でも、不調なんて一度もあらへんやないですか。逆に生贄の推定年齢をどうやって出したのか」
「まぁ、それもそうやな……」
辺りがしんと静かになった。
私はおろか、志麻さんも坂田さんもその不安に返す言葉が見つからないらしい。
暫くの沈黙の後、切り出しづらいその空気を真っ先に破ったのはうらたさんだった。
「とにかく、魔界からの伝達は来た。わかった事は運命混交の不調で生贄が決まらない。だから、ハロウィン祝祭の日も決まってない。
生贄の年齢はともかくとして、取り敢えず一週間くらいはハロウィンが続くと考えるぞ」
◈
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ユン(プロフ) - LiLi Kaさん» コメントありがとうございます！拘っていた所だったので、気づいていただけて、とても嬉しいです！！ LiLi Kaさんの仰る通り、濃いめの青にしてみました！！ (2020年6月16日 0時) (
レス) id: ca6f64574e (このIDを非表示/違反報告)
LiLi Ka(プロフ) - 惨めのところ色違う？濃い青みたいに見える…もしわざとなら主人様のセンス光ってる！ (2020年6月15日 20時) (レス) id: ef0b88e85e (このIDを非表示/違反報告)
ユン(プロフ) - tamaさん» コメント、応援ありがとうございます！そう言って頂けてとても嬉しいです！！よかったら、主人公ちゃんと4人の行方を見守ってあげてください！笑 (2020年6月9日 10時) (レス) id: ca6f64574e (このIDを非表示/違反報告)
tama(プロフ) - この作品、とても好きです！応援してます！ (2020年6月8日 23時) (レス) id: 38d6d4018c (このIDを非表示/違反報告)
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