1.人形の目覚め ページ1
ずーっとずっと、憧れてた
別に海が好きだった訳じゃない。船が好きだった訳でもない。私が好きだったのは、豪華客船『
海に浮かぶその姿は湖の白鳥。内装も素晴らしいものだ。言葉で、簡単に説明をするとしたら、世界中の五つ星ホテルの目玉を、上手いことマッチングして揃えた、みたいな感じ！
あ、凄いのは見た目だけじゃない。
客船でのクルーズが楽しめるように、サービスエリア、イベントも充実してるんだから。レストラン、図書館、遊戯館、プール、その他諸々の施設が全て揃っているし、毎夜毎夜のイベントが違ってて、ダンスパーティ、カジノパーティなどなど、種類も豊富。
まぁ、とにかく、つまり何を伝えたいのかっていうと、女の子がイケメンアイドルグループに憧れるように、私が『Stogh ship』に憧れてるってことなのだ
◈
「ん、んん……」
柔らかな布が肌に触れて目が覚めた
空色の天井に、シックな家具達。ここは『Stogh ship』の船室で間違いないだろう
私は先日、『Stogh ship』旅行券の抽選に応募した(確かあれで、531回目の挑戦だったと思う)
いつもだったら、というか普通に考えて、ハズレて「あ"ぁ〜」と唸る所なんだけれど、神様の悪戯か、見事に当選し、7泊8日の船旅に出ることになったのである！
いぇい！最高！！死んでも悔いはないっ！！！
まさに早くも人生の絶頂。幸せ
本気で家に帰らなくて良いとまで思った
そう、あんな事になるまでは
"コンコンコン"
ドアのノックに、ビクンと心臓が跳ねた
現実逃避終了の時間が来たのだ
私は、自らの運命を受け入れなくちゃならない
私の憧れの船、『Stogh Ship』はただの豪華客船じゃない。褒めている意味ではなくて
この『Stogh Ship』は＿＿＿＿
ゴーストシップだ
「おはようさん。よぉ寝とったね」
開いた扉から出てきたのは、コンシェルジュでも船のスタッフさんでもない
光の反射で金色に染まる黄色の髪に黄玉石の瞳。豪華客船に不似合い、いや、そもそも現代の街にいないチャイナ服の青年
一言でいうなら、僵尸がそこにいた
昨晩の出来事が一気に頭にフラッシュバックして、ひっと息を飲んだ。少し苦笑しながら、彼はベットの近くにあった椅子に座る
「そんな怯えんといてください、今は血ィ吸ったりせんから。お腹空いたでしょ、これ食べや」
そう言って、差し出されたのはサンドイッチだった
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ユン(プロフ) - LiLi Kaさん» コメントありがとうございます！拘っていた所だったので、気づいていただけて、とても嬉しいです！！ LiLi Kaさんの仰る通り、濃いめの青にしてみました！！ (2020年6月16日 0時) (
レス) id: ca6f64574e (このIDを非表示/違反報告)
LiLi Ka(プロフ) - 惨めのところ色違う？濃い青みたいに見える…もしわざとなら主人様のセンス光ってる！ (2020年6月15日 20時) (レス) id: ef0b88e85e (このIDを非表示/違反報告)
ユン(プロフ) - tamaさん» コメント、応援ありがとうございます！そう言って頂けてとても嬉しいです！！よかったら、主人公ちゃんと4人の行方を見守ってあげてください！笑 (2020年6月9日 10時) (レス) id: ca6f64574e (このIDを非表示/違反報告)
tama(プロフ) - この作品、とても好きです！応援してます！ (2020年6月8日 23時) (レス) id: 38d6d4018c (このIDを非表示/違反報告)
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