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1杯目を飲み終わる頃には開始当初の席は関係なくなっていて、私の隣には中村くんが座っていた。
中村「あ、そろそろグラス空きそうだね
……次は何飲む？」
店員さんを呼びながら、スマートにさっとメニューを開いて見せてくれた。
『あ、えっと……じゃあ芋のロックで』
メニューを見ながら注文すると、
たっはー、なんて独特な笑い声が隣から聞こえた。
中村「1杯目は生だったし、2杯目めっちゃ渋いの頼むじゃん笑」
普段通りに注文してしまったけど。
あ、普通の女の子はもっと可愛いカクテルとか頼むのかな、なんて思ったり。
中村「Aちゃんは結構飲める感じ？
てか、Aちゃんって呼んでいい？
もう呼んでるけど笑」
名前呼びまでスマートな中村くん。
『あ、はい！どうぞ……』
中村「あ、Aちゃんも呼び方変えてよ！
俺の事はうみ、とか呼んでくれたらいいから
……あと、敬語もなしね！」
にこにこと白い歯を見せながら笑う笑顔はこっちも自然と楽しくなる。
『うん、うみくんよろしくね！』
中村「あ、何かちょっとグッときたかも……」
そう呟かれた言葉は
美咲と松倉くんの笑い声で掻き消された。
美咲「ちょっとA聞いて！
松倉めっちゃ面白いんだけど笑」
松倉「あ、おい馬鹿！言うなよ！」
『え、なに？笑』
凄く楽しそうに話し掛けてきた美咲の話に私は耳を傾けた。
美咲「この間も松倉と中村一緒に呑んでたらしいんだけど、松倉だけ潰れたらしくて
次の日起きたらめっちゃ顔に落書きされてたらしい笑」
どういう状況？なんて思いながらも、
想像したらちょっと面白くて……笑
中村「あ、因みにその犯人俺ね」
そう言いながら素直に挙手するうみくん。
うみくんならやりそう、とか思ってしまった。笑
松倉「はぁ！？あの時ちゃかがやったって言ってたじゃんかよ！」
中村「するわけないじゃん、家まで送ったの俺だもん笑」
松倉「まじかよー……」
ちゃかにキレちゃったじゃんか…、そう言いながら松倉くんは頭を抱えていた。
中村「ちゃかには説明したから大丈夫だろ笑」
美咲「ねぇ、さっきから出てくるその"ちゃか"って人誰？」
私も同じ疑問を持っていたけど、美咲もだったみたい。
中村「実はもう一人"かいと"がいんの」
美咲「え、そんないるの？笑」
美咲が言葉を発した直後、
「え、何でお前ら居るんだよ」
聞き覚えのある声が聞こえた。
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作者名：れおな | 作成日時：2020年12月10日 6時
