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《23》 ページ24

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うみくんに晩ご飯をご馳走になり、

まだそんなに遅い時間でもないのに家まで送ってくれると言う。



まだ遅くないし大丈夫だよ、と言うと。



俺がまだ一緒に居たいから、って。



面と向かってそんな事言われたらやっぱり恥ずかしくて。


うみくんを見る事が出来なくて、足元を見ながら隣を歩いた。




中村「下向いてたら危ないよ?」


その言葉と共に腕を引っ張られ、うみくんの胸に引き寄せられた。



『…っ!?』


驚き過ぎて思うように声が出なくて。





顔を上げると前から車が来ていて。


『ご、ごめん!ありがと、』








.









『…うみくん?もう、大丈夫…だよ?』


だけど、うみくんが離れる気配は全然無くて。


未だにうみくんの腕の中に収まっている。




少しだけ駅から離れた道。


今はあまり人通りは無くて。



そのまましばらくお互い無言の時間が流れた。





中村「……あのさ、このまま聞いて?」


その沈黙を破ったのは頭の上から聞こえたうみくんの声。



中村「まだ全然言うつもり無かったんだけど、


……俺、Aちゃんの事が好き」



真剣な表情で言葉を発するうみくん。



え、どういう事……


好きって、あの異性に対する好き?


友だちとかそういうのじゃなくて?


この状況からしてそんな当たり前の様な事が脳内でぐるぐるする。






中村「知り会ったばっかりなのに、って思うかもしれないけど。

初めてAちゃんの笑った顔を見た時、あーいいな、って。
ずっと近くで、……ううん、隣で見てたいって思った」


そこまで言い終わると、うみくんから身体は離れた。



中村「今すぐ、とかそんな事は全然思ってない。
Aちゃんは仕事頑張りたいって言ってたしね


…だけど、ほんの少しだけで良いから、意識してくれたら俺は嬉しい」



最後は、"俺、追いかける恋好きなんだ"っていつもの笑顔を見せてくれた。






それから家までの道はさっきの出来事が夢だったかのように、私の知ってる明るいうみくんだった。








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作者名:れおな | 作成日時:2020年12月10日 6時

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