《14》 ページ15
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━━━ 宮近side ━━━
ホームに降りた俺たちは閉まるドアに向かって手を振った。
ドア越しに海人とAさんも手を振っている。
松倉「……あれ、ちゃか何で降りた？」
宮近「何となく？笑」
松倉「は！？意味わかんねー」
美咲「ちゃかくんはここじゃないの？」
宮近「あー、俺はもう少し先の駅で…」
.
中村「Aちゃんどの辺に住んでるの？」
『あ、○✕の辺だよ』
中村「そっか、……もう遅いし送ってく、」
駅に向かう道中で後ろから聞こえた会話。
Aさん俺と同じ最寄り駅だ、なんて思いながら。
別に俺が送っても良いんだけど。
海人が送るって言ってるんだから、俺は空気を読むべきだな。
そう思った。
そして今に至る。
改札へ向かう松倉たちを見送り、一人で次の電車を待った。
するとポケットの中で震えたスマホ。
メッセージの送り主は先程別れたばかりの海人からで。
"ちゃかありがと"の一言。
まぁ、あいつは俺の最寄りも知ってるしな。
夜はまだ少し肌寒い4月上旬。
今度海人にコーヒー奢ってもらお、なんて。
そう思っていたらすぐに音楽と共にホームに電車が入ってきてそれに乗り込んだ。
.
揺れる電車内。
海人達はもう着いたかな。
そんな事を考えながら、流れる景色を眺めた。
アルコールが入っているせいか少し眠気に襲われる。
軽く目を閉じると、
ふと思い出すのは、"また月曜日に"という自分に向けられた言葉とAさんの笑顔で。
何で思い出すのかはまだわからないけど。
また月曜日………か。
二日会えないんだ、そう思うのと同時に駅に着いた。
ポツポツと街灯はあるけど、少し薄暗く、人気の少なくなった駅から家までの道。
確かにこの時間にこの道を一人で帰すのは心配かな。
明日は休日。
早起きする必要も無ければ、どこかに行く予定もない。
朝ごはんだけでも…と思い、駅から数分歩いた所にあるコンビニに立ち寄る事にした。
ふと外から見える雑誌コーナーに目を向けると、
いつものスーツ姿とは違うラフな格好の彼女。
ガラス越しに目が合い、向こうもこちらに気付く。
中に入ると入口付近に立っていた。
『……あれ、やっぱり宮近くんだ』
宮近「……何で居るの、」
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作者名：れおな | 作成日時：2020年12月10日 6時
