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50回裏 ページ2

「えー…とぉ」

「今日の昼、密偵から連絡があった」

「みっ!?」

「寝坊した挙句、一年囮に使って列に紛れ込んで走らされたんだってね?」

「は、ははは〜、いやぁ〜」

「寝坊した理由、聞かせてもらえるかしら?」



ニッコリ、心からの満面の笑みで一也を見下す
その顔を見て逃げられないと察したのか一也はさらに縮こまる




「あの、DVDを、見てまして」

「へぇ〜寝坊する程遅くまで見てたんだァ、練習試合のかなぁ、それとも敵の試合映像かなぁ?」

「…わ、ちゃ…の」

「ん?」

「…長澤、ちゃんの…です」




顔を俯かせそう答えた一也を見て後ろに側近の様に控える倉持とゾノが吹き出した
ふーん、へぇー、長澤ちゃん、ね



「つまり、一也くんは他の女にうつつを抜かして野球部の練習寝坊しちゃったんだァ〜」

「あ"、え"、いや」

「観念しろ御幸ィ!」

「せやぞ!たるんどる!」

「監督は許してもこの私が許さないよ、いいって言うまで走ってこいこのどあほ!!」

「そ、そんな〜」




ガクリ、と肩を落としながらグラウンドを走り出した背中をふん!と鼻を鳴らして睨み付ける






「たく、亮さんに監視頼んでおいてよかったよほんと」

「抜かりねーなおめぇ」

「倉持もだかんね!同室の一年可愛がるのはいいけどちゃんと起こしてあげな!」

「それもバレてんのかよ!」

「まぁ、それに関して私は何も言わないよ、あいつは別」

「なんだったらいーんだよ」

「他の女見てるってのは腹立つけど別に部活に支障が出なけりゃ何も言わないよ、そこまで口出す関係じゃないし」

「ややこしいんだよお前ら!さっさと収まるとこ収まれよ!」

「いや、別にそういうんじゃないし」



そう、別に野球に影響が出なけりゃ構わないのだ、ムカつくけど
学校では面倒なのでそういうフリをしているだけ、野球に関しては私は一也のもので一也は私のもの
引退すればそれも無くなる、この高校生活の三年という短い人生のごく一部をお互いに預けただけの関係

短いからこそ、その間は私以外を見て欲しくない




「ったく、10周くらいで勘弁しておいてやるか」


なんだかんだ言って、私は一也に甘いんだよな

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とらお(プロフ) - ジョゼフィーヌさん» この度はコメントありがとうございます!ダイヤ、残り2話…衝撃でした…。でもまだactIIIを信じてます!!でもそのおかげで出会ってくれたのは感謝しかないですね、凄く褒めていただけて光栄です!自己満作品ではありますが、これからもよろしくお願いします! (2022年10月13日 18時) (レス) id: 9196c41cf9 (このIDを非表示/違反報告)
ジョゼフィーヌ(プロフ) - ダイヤのA最終回まで残り2話と聞いて何か面白い夢小説ないかなって思って探してたら、この作品に出会えて、凄く読み応えがあるし、続きも気になります!無理しない程度に更新頑張って下さい!楽しみに続きまってます! (2022年10月12日 16時) (レス) @page27 id: 8e4a678c0b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:とらお | 作成日時:2022年9月25日 14時

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