日常化と、些細な変化。 ページ32
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治が復活した。
またいつものように双子の罵り合いが始まって、部員も『これこれ』と、
日常化した風景にニコニコしていた。何だかんだで双子は色んな人に愛されている。
「オイちんちくりん、った!」
「ごめんなんかイラつく単語聞こえた気して、っだぁ!?」
「あれ〜?すまん、虫ついとる気したんやけど…」
「パワー考えて叩けよゴリラ!背骨折れた思うたやんけ!」
「あ〜いいね、これも」
私と治の罵倒のし合いも、もはや日常化してしまっていて、
角名をはじめとしたレギュラー陣がニコニコしている。やめろください。←
そんな中で、私が腰を抜かす出来事。
「……なんで私なん?」
『インハイ後の土曜の部活休み、ちょお付き合えや』
そう言われて、たっぷり10秒静止した後、
脳をフル稼働させて出てきた言葉がこれだった。
割といい質問をした気がする。
治は、ん。とポケットから何かを取り出して私に見せる。
待って、それ部活中ずっと入れてたわけじゃないよね?
でも治が口を開く前、
私は渡された紙を見て歓喜の声を上げる。
「い、苺のデザート食べ放題…!?」
「おん。この前角名と話とったやん。苺専門店。そこのお店で今やっとるらしいで」
「はわわ、美味しそ〜!あ、でもこのクーポン誰にもらったん?」
「オカンが職場の人にもろたらしいで。私甘いもん嫌いやからアンタ行ってきや、って」
「そんなん私貰ってええの?いや、確かに苺好きやけど、」
興奮して、あわあわなってる私に、
治は歯切れが悪いように、あー…と言葉を濁す。
「(人1)、よう見てみそこ」
「え、どこ?」
「ここ」
「…このクーポンは、男女組みのお客様のみご使用いただけます?
…え?」
「…せやねん。やから、俺はお前を誘ってんねん、けど」
ハラリ、手元から紙が落ちた。
少し顔の赤い治。
…を、見つめたまま、固まる私。
私はしばらく目を泳がせて、ごくりと唾を飲み込んで言葉を放った。
「…ええよ」
「…!そっ、か」
ぎこちない空気が流れる。
なんか、ソワソワした。
「…なら、またその日のことは、後で決めよ」
「うん、」
バクバク。心臓は鳴り止まない。
きっと、私の顔も赤いのだろう。
「(これって、えと、俗に言う、で、デート…?いやでも付き合うてへんしな…)」
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亀さん - 完結おめでとうございます!治最高…………次回作も読ませていただきます! (2020年4月2日 10時) (レス) id: 99a2eebfea (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - やまうみ。さん» コメントありがとうございます!初期からのファン…!嬉しいです、私の作品読んでくださってありがとうございます(^ ^) なるほど…おじいさまの名言、必ずやどこかで使わせていただきます!もう少しで完成するので待っててくださいね〜(^ν^) (2020年3月31日 23時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - しぃらさん» コメントありがとうございます!ドSの治による荒治療はいかかでしたか?(^ ^) それはまずい!もう一度宮治の荒治療を受けることをお勧めします(無限ループ)← 死なないで〜…次回作もぜひ読んでくださいね! (2020年3月31日 23時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - ルナ・エイヴェルさん» コメントありがとうございます!過呼吸ぎみですけど大丈夫ですかッ(*_*) 結婚します(真顔)← ぜひぜひひっそりとニヤニヤ、キュンキュンしながら読んでください〜(^^) (2020年3月31日 23時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - 狐さん» コメントありがとうございます!いえいえ!そう言ってもらえるだけで明日を生きる活力になるので大丈夫です← ぜひぜひ、次回作もよろしくお願いします〜(^^) (2020年3月31日 23時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はるか | 作成日時:2020年3月22日 23時