ストンと落ちてくる。 ページ37
.
「ん……？」
「お、起きたか？」
「……え、大耳さん！？」
咄嗟にガバリと身体を起こす。
大丈夫か？そんな慌てんでもええよ、と優しく背中に手を置かれる。めちゃくちゃ紳士やん。
「いやもう大耳さんに寝顔見られたの恥ずかしくて…涎とか垂れてませんでした？」
「何やそれ笑 垂れてへんよ。もう体調大丈夫そうか？」
「大丈夫です…すみません、ご迷惑かけて」
「ああ、心配せんでええよ。まだ1時間くらいしか経っとらんし。
ほぼウチと井闥山の1年が色々やってくれとるし、まだ万全じゃないなら今日は休んでもええって信介が」
「いや、もうすっかり良くなりました、えへへ」
ベッドからゆっくり起き上がる。
どうやら今は休憩時間らしく、もう少ししたらまた練習が再開されるようだ。
「え、休憩大丈夫ですか？私如きに時間使わせてすみません…」
「いやええよ。実は角名に頼まれてん」
「え、倫太郎に？」
「"大耳さんの顔見たら(人1)、喜ぶと思うんで"って。
本当はアイツ、(人1)のこと1番心配しとったんちゃうかな」
なんや深刻そうな顔しとったしなあ…と言われて、
ふと意識が落ちる前の記憶が蘇る。
『倫太郎は、どうなの…？』
『俺、は…』
「ああああぁぁぁ！！」
「うお、ビックリした…どうしたん？」
「あ、いや、何でもないです。行きましょう」
大耳さんと共に体育館に向けて歩き出す。
何気ない会話をしながら、悶々とあの時のことを考えていた。
「(結局あの後倫太郎はなんて言ったんだろう…どんなタイミングで寝てるの自分！馬鹿野郎！！)」
ていうかあの言い方だと、なんか告白したみたいになっちゃったな…
てか告白では！？
「(あれ、私って倫太郎のこと好きだったの…！？いやいやそんなはずは！
でも、だとしたらこの胸の高鳴りは？前は倫太郎相手にこんなこと、ならなかったよ…？)」
体育館について、大耳さんがドアを開ける。
大丈夫か〜って声がちらほら聞こえて、大丈夫ですと返していく。
そして、私の姿を目に映すや、早足で近づくのが1人。
「りん、いだっ」
「もう大丈夫なの」
「大丈夫だから鼻つままないで…結構痛い」
「ふはっ、ブサイク」
くく、と控えめに笑う倫太郎を見て、
ストンと。
それは、その感情は、いとも簡単に落ちてきた。
「(…分かった。やっぱりわたし、倫太郎が、好きだ)」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 681人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あやね - 「離れ離れの1年ちょっと。」のところの角名君の出身地は、愛知県です！！ (2022年11月2日 18時) (
レス) @page4 id: 04b5e98dd0 (このIDを非表示/違反報告)
すなりんん - 涙が勝手に溢れてきましたごめんなさい「？」 (2020年4月22日 1時) (レス) id: 22d4d41058 (このIDを非表示/違反報告)
紺(プロフ) - え、好きです (2020年3月24日 10時) (レス) id: c01d9ddcd5 (このIDを非表示/違反報告)
のん - 再び失礼いたします。完結おめでとうございます！！！！角名はやっぱ色気の塊ですね！えっrrr((素敵な推しをありがとうございました！治も楽しみにしております。がんばってください！！ (2020年3月22日 23時) (レス) id: a9c340b6bb (このIDを非表示/違反報告)
亀さん - 完結おめでとうございます!!!やっっっっと結婚しましたね!!!←角名くんすきぃ……次回作も読みます!!!佐久早好きなの分かりすぎて泣…………サム楽しみにしてます!!! (2020年3月22日 22時) (レス) id: 1af3b4280f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：はるか
| 作成日時：2020年3月8日 1時
