59 ページ9
三次選考のチーム分けが決まり、試合が進んでいった。
全ての試合が終了した時、手応えのあった者もいれば、
実力をうまく発揮できない者もいたが
本番で発揮できない者は容赦なく切り捨てられるのがこの世界。
Aは全ての試合を他の選手たちと一緒に見守った。
「潔くんすごかったな…」
試合を思い出しながら、Aは廊下でぽつりと呟く。
潔「俺がどうかした?」
『わっ!潔くん!』
潔は後ろからひょこっと顔を出した。
『潔くんの試合思い出してたの。最後のプレーが忘れられなくて』
潔「俺もまだ思い出して興奮してる!」
照れ臭そうに言う潔の後ろから今度は千切が顔を出す。
千切「ほんと、あの試合最後で潔に全部持っていかれた感じだよなー」
潔「千切!いやいや、お前の方が先に機能してただろ」
千切「でもAもあの試合のこと思い出すと潔のことが浮かぶだろ?」
『お嬢、悔しいんだ』
千切「当たり前だろ。一応負けたしな」
『お嬢は毎回ちゃんとかっこいいよ』
千切「はいはい」
『せっかく褒めたのに雑すぎるだろ。
ていうか、2人まだ起きてたんだ』
潔「なんか眠れなくて…明日発表されるじゃん?U-20とのスタメン…」
千切「まあ俺もそんなとこ」
『そうだよね…』
Aは見回りの途中だったが、見る限り現時点では眠れている人の方が少ない。
もう深夜になるのに。
(疲れてるのにみんな眠れてない…怪我の元になりかねないし、絵心さんに明日は発表だけでオフにしてもらえるようになんとかお願いしてみよう…)
『凪くんとかゲームしてあっさりいつも通り寝てそう』
凪「ハズレ〜」
『うわ!?凪くんいつの間に私の後ろに!?』
凪「んーゲームして寝ようと思って、その前に喉乾いたから食堂行って水飲んで部屋戻ろうとしてたところ」
『ほぼ当たりじゃんあっさり寝るじゃん』
凪「そのつもりだったけどAを見つけたから予定変更」
『なにするの?』
凪「Aと一緒にいたい」
潔(凪直球すぎる!)
千切「…あっちぃな(小声)」
『でも私後少し見回りが残ってて…』
凪「それ俺も一緒に行って平気?邪魔になっちゃう?」
『邪魔じゃないよ。一緒に行ってくれるの?』
凪「うん」
凪はAと一緒に残りの見回りのため、
潔と千切に「おやすみ」と挨拶して歩いて行った。
潔「あのめんどくさがりの凪が…」
千切「なんか急に積極的だな」
千切は少し胸がモヤっとした気がした。

382人がお気に入り

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
pink(プロフ) - 凪咲さん» ありがとうございます!冴ちゃん短編集の方でたくさん登場させる予定です♡ (12月27日 8時) (レス) id: 9490a78089 (このIDを非表示/違反報告)
pink(プロフ) - 優希さん» 冴ちゃんめっちゃくちゃ好きなので短編集の方でめちゃくちゃ登場すると思います…!♡ (12月27日 8時) (レス) id: 9490a78089 (このIDを非表示/違反報告)
凪咲 - めっちゃよかったです!!ありがとうございます!!今度は是非冴ちゃん書いてください!!待ってます! (12月25日 12時) (レス) @page40 id: d21e2e85d6 (このIDを非表示/違反報告)
優希 - 凛ちゃんのサイドストーリーご馳走様です♥️糸師兄弟推しなんで、キュンです🙌冴ちゃんバージョンも読んでみたいです♥️ (12月23日 15時) (レス) @page40 id: b7884666f3 (このIDを非表示/違反報告)
紗奈(プロフ) - pinkさん» えっと何それ最高か、、、❓👼🏻更新された瞬間見に行きます😭🔥無理はせず!応援しております👼🏻🩶 (12月14日 10時) (レス) id: f1a0f71f2e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:pink | 作成日時:2024年12月1日 0時