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同じく練習を終え出てきた凛は、Aが廊下でぽつんと立っているのを見て、スルーしてシャワー室へ行こうとするも、足を止め大きなため息をつき引き返してAの頭を突いた。
凛「おい」
『いてっ』
凛「なにぼさっとしてんだ」
『凛ちゃん!いやー…ちょっと考え事というか…』
凛「フン……誰かになんか言われたか」
凛は「くだらねえ」と言い、Aの頭をわしゃわしゃと乱暴に撫でた。
『ぎゃ、ちょっと凛ちゃん、もっと優しくして〜』
凛「充分だろ」
凛はぱっと頭から手を離した。
凛「俺はここの奴らに取られるのは…ムカつくが同じ期間いた中で負けたんなら自分の努力不足だと無理やり認めてやれるかもしれねえ」
『凛ちゃん…?』
凛「だが…糸師冴…そいつだけは許さねえ。ぽんと出てきた奴に取られるのはムカつきすぎて反吐が出そうだ」
『り、凛ちゃん?私と冴くんのことどう見てるの…?』
Aの"冴くん"呼びに凛からは殺気が湧き上がる。
凛「てめぇ…やっぱり兄貴と仲良くなってんじゃねえか」
(やべ…)
凛の殺気に縮こまっていると、凛は再び大きく息を吐いた。
それからAを無理やり抱きしめた。
『!凛ちゃ…』
凛「ムカつく」
凛はAを抱きしめる腕の力を強くする。
凛「アイツに取られてたまるか…ッ」
凛はしばらくAのことを抱きしめていたかと思うと、
スッと離し、Aの額にデコピンをした。
『いでぇ!!!』
凛「その"凛ちゃん"呼び改めろ。歳下扱いすんじゃねえ」
それだけ言うと、凛はシャワー室へ入って行った。
氷織「へぇ、Aちゃんってあの凛くんにもあんなに好かれてるんやね」
凛が去ってすぐに背後からした声に
Aはバッと振り向いた。
『氷織くん…』
氷織「こっちも練習終わって、汗かいたからはよシャワー浴びたいな〜と思って一番に出てきたけど、選抜さんらと被ったんかな?混んでそうやから少しここで時間潰して入ろかな」
氷織はにこっとAに笑いかける。
氷織「Aちゃん、みんなが手出しやすいくらい最近隙が多いんちゃう?」
『わ、かんない…隙とか…』
氷織「千切くんにちゃ〜んと守ってもらっといた方がええんちゃう?"お兄ちゃん役"なんやろ?周り寄せ付けないのに結構最適な人選やと思うわ〜
それとも…
もう"お兄ちゃん"はできないくらいの関係にでもなってしもた?」
氷織の見透かしたような笑顔に
Aは目線を落とした。

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pink(プロフ) - 凪咲さん» ありがとうございます!冴ちゃん短編集の方でたくさん登場させる予定です♡ (12月27日 8時) (レス) id: 9490a78089 (このIDを非表示/違反報告)
pink(プロフ) - 優希さん» 冴ちゃんめっちゃくちゃ好きなので短編集の方でめちゃくちゃ登場すると思います…!♡ (12月27日 8時) (レス) id: 9490a78089 (このIDを非表示/違反報告)
凪咲 - めっちゃよかったです!!ありがとうございます!!今度は是非冴ちゃん書いてください!!待ってます! (12月25日 12時) (レス) @page40 id: d21e2e85d6 (このIDを非表示/違反報告)
優希 - 凛ちゃんのサイドストーリーご馳走様です♥️糸師兄弟推しなんで、キュンです🙌冴ちゃんバージョンも読んでみたいです♥️ (12月23日 15時) (レス) @page40 id: b7884666f3 (このIDを非表示/違反報告)
紗奈(プロフ) - pinkさん» えっと何それ最高か、、、❓👼🏻更新された瞬間見に行きます😭🔥無理はせず!応援しております👼🏻🩶 (12月14日 10時) (レス) id: f1a0f71f2e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:pink | 作成日時:2024年12月1日 0時