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『ん…っ…』
寝ぼけていた頭が一瞬で覚め、キスされていることがわかったAだが、
自分から抱きついてしまったと思われる状況と
自分よりかなりガタイのいい凪から抱きしめられている状況に抵抗ができないまま受け入れていた。
触れるだけじゃない長いキスから
唇同士が離れると、お互い閉じていた目が開き目が合った。
『……凪くん…』
凪「A…ごめん」
『いや…多分私が寝ぼけて抱きついたとかそんなんだよね…私の方がごめん!』
凪からしたらAが謝る理由はなかったが。
『起こしてくれてありがとう!そろそろ行こっか』
そう言って体を起こそうとしたAの腕を、
凪はパシッと掴んだ。
『凪くん…?』
凪「ねえ、さすがにそれは虚しいんだけど」
『ご、めん……ちょっと…』
先程から顔を見せようとしないAの顔を無理やり覗き込むと、真っ赤な顔をしているのがわかり、凪は心が満たされた。
凪「恥ずかしかったの?」
『当たり前…』
凪「かわいい」
『そういう凪くんはなんでいつも通りの顔なの!?彼女いたことないって言ってたよね!?』
凪はAの手を取り、自分の胸に当てさせる。
凪「俺もちゃんとドキドキしたし」
手のひらから凪の心臓が早く高鳴っているのを感じ、
Aはこの状況が恥ずかしくなる。
凪「ねえ、最後にもう一つAのこと教えて」
凪はずい、と顔を近づけてAに訊ねた。
凪「キスするの嫌だった?」
『う…』
きゅるきゅるした凪の目に、本当にこの男190センチか、
と一瞬頭の中でよぎりながら、Aは正直にその問いに答える。
『嫌とか…そういうのは感じなかったよ……』
凪「ふーん……じゃあ俺にも脈はあるって思っていいよね。
千切とか…他の奴らに手出されたら嫌だけど、
その分俺も手出すからー」
『えっなんでお嬢…』
そこまで言ったところで、ふたたび凪から
ちゅっ、とキスをされ、Aは目を見開いて固まった。
今度は短いキスですぐに唇は離れ、
凪が「一回したからもう一回いいでしょ」と言い、
先に部屋から出てしまった。
Aは色んなことで頭がいっぱいになりつつ、スマホで時間を確認し、早く活動を始めないと、
と凪の後を追って部屋から食堂へ向かった。

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pink(プロフ) - 凪咲さん» ありがとうございます!冴ちゃん短編集の方でたくさん登場させる予定です♡ (12月27日 8時) (レス) id: 9490a78089 (このIDを非表示/違反報告)
pink(プロフ) - 優希さん» 冴ちゃんめっちゃくちゃ好きなので短編集の方でめちゃくちゃ登場すると思います…!♡ (12月27日 8時) (レス) id: 9490a78089 (このIDを非表示/違反報告)
凪咲 - めっちゃよかったです!!ありがとうございます!!今度は是非冴ちゃん書いてください!!待ってます! (12月25日 12時) (レス) @page40 id: d21e2e85d6 (このIDを非表示/違反報告)
優希 - 凛ちゃんのサイドストーリーご馳走様です♥️糸師兄弟推しなんで、キュンです🙌冴ちゃんバージョンも読んでみたいです♥️ (12月23日 15時) (レス) @page40 id: b7884666f3 (このIDを非表示/違反報告)
紗奈(プロフ) - pinkさん» えっと何それ最高か、、、❓👼🏻更新された瞬間見に行きます😭🔥無理はせず!応援しております👼🏻🩶 (12月14日 10時) (レス) id: f1a0f71f2e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:pink | 作成日時:2024年12月1日 0時