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耳元でした凪の声に少し肩を振るわせるも、
凪の顔を見ると寂しそうな子犬のような顔をしていて
Aは胸がキュンとなった。

『いいよ』

凪「え。いいの?A大丈夫?」

『凪くんが言ったんじゃん』

凪「そうだけど」

『一緒に寝るならこの単独のベッドだね』

凪くん壁側どうぞ、とAは凪を先に横にならせた。
それから隣に入ると、当たり前に体と体が触れる。

『ふふっ、やっぱちょっと狭いね』

クスクスと笑うAの振動が触れているところから伝わってきて、凪はそれを愛おしく感じた。

凪「Aは、今までどんな人と付き合ったの?」

『え!恋バナ?凪くんが?』

Aは目を丸くして驚くも、うーんと、と頭の中の記憶を思い出しながら凪の問いに答えた。

『席が隣になった少し意地悪な男の子とか…
優しくて少しおとなしい趣味の合う子とか…
クラスの中心的存在の元気な子…かな?』

Aが答えた人物はどれもタイプがまるっきり違い、
それはAの誰にでも適応する能力が昔から健在であったことが伺える。

つまり、今もどんなタイプの人とでもお付き合いができるということだ。

誰とでもやっぱうまくいっちゃうんだ、
と凪は頭の中で思い、少し心がモヤモヤした。

『凪くんは?今までの彼女』

凪「いると思って聞いてる?」

『やっぱりいないか』

凪「それもそれで失礼だけど」

『だって凪くん異性どころか他人に興味なさそうじゃん』

凪「まあ…、…Aは別だけど」

『私?』

凪「うん、超興味ある」

『私の何に?』

凪「知りたいこと結構あるよ。ていうか、Aのことまだまだ知らないし」

凪は天井を見ながら言った。
Aは凪のことを資料で少しは知っている。
身長、体重、血液型、誕生日、家族構成…その他諸々。

でも凪や選手達からしたらその最低限の情報すら、Aのことを知らない。

そのことに気づき、Aは凪の方に体を向けて言った。


『じゃあ、沢山話そう?今夜は沢山、私のこと知ってね』

にっこり笑ったAの顔が、この小さなベッドのせいで近すぎて
凪は顔を天井から少しAの方に向け、その視界を広く埋める笑顔を、自分の瞳に収めた。

凪「うん…」

今その笑顔は凪だけが独り占めしている。
凪は絶対やらかさないようにしないと…と掛け布団の中で自分の手の甲をつねった。

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pink(プロフ) - 凪咲さん» ありがとうございます!冴ちゃん短編集の方でたくさん登場させる予定です♡ (12月27日 8時) (レス) id: 9490a78089 (このIDを非表示/違反報告)
pink(プロフ) - 優希さん» 冴ちゃんめっちゃくちゃ好きなので短編集の方でめちゃくちゃ登場すると思います…!♡ (12月27日 8時) (レス) id: 9490a78089 (このIDを非表示/違反報告)
凪咲 - めっちゃよかったです!!ありがとうございます!!今度は是非冴ちゃん書いてください!!待ってます! (12月25日 12時) (レス) @page40 id: d21e2e85d6 (このIDを非表示/違反報告)
優希 - 凛ちゃんのサイドストーリーご馳走様です♥️糸師兄弟推しなんで、キュンです🙌冴ちゃんバージョンも読んでみたいです♥️ (12月23日 15時) (レス) @page40 id: b7884666f3 (このIDを非表示/違反報告)
紗奈(プロフ) - pinkさん» えっと何それ最高か、、、❓👼🏻更新された瞬間見に行きます😭🔥無理はせず!応援しております👼🏻🩶 (12月14日 10時) (レス) id: f1a0f71f2e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:pink | 作成日時:2024年12月1日 0時

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