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「家康、お前を見てると昔の俺を見てるようで、同情するわ。なんて可哀想な人間だってな」
「俺が、可哀想な人間」
「ああ、孤独で寂しい人間だ。…俺はな、あいつらに背中を押されたんだ！勝てない相手を前にして、足を震わせながら挑む姿に！誰かのために戦う、その姿に！」
脳裏に浮かぶ、秀吉くんや黒田くん、信長の姿。
武田くんは、全部見ていたんだ。
「はっ！！！」
徳川くんがまた武田くんを蹴り飛ばす。
それでも武田くんはへばらなかった。
「人は一人では生きていけない。一人で行ける場所など、たかが知れてる！それをあいつらから学んだんだ。人は剣でも盾でもない！人は城、人は石垣、人は堀。情けは心を繋ぐ。家康、それに気づけないお前は、負ける…！！！」
『武田くん…！』
「うりゃあー！！！」
武田くんが渾身の一撃を徳川くんの足に放った。
これには流石の徳川くんも大きなダメージを受けている。
「たとえ一人になっても、俺は倒れん！！！」
「それでもお前の負けは揺るがない！」
「ああーっ！」
徳川くんは武田くんを殴った。
そしてそのまま、武田くんは倒れて行った。
『武田くん！』
倒れた武田くんに慌てて駆け寄る。
「上杉、俺は石垣の務めを果たしたぞ…。信長、その石垣の上に、お前が城を建てろ、大将…！」
去って行く徳川くんを見て起きあがろうとする武田くん。
その背に手を回し、なんとか座らせた。
武田くんは、自分の身を挺してまで、次の人、信長のために。
武田くんの視線の先、段々と遠くなって行く徳川くんは、明らかに足を引きずっていた。
『この勝負、武田くんの勝ちだよ』
「…蝶野、」
『ん？』
「なぜここにいる？」
『え』
今めっちゃいい雰囲気だったよね？
武田くんに歴史のことを言うわけにもいかないし…
『えーーーっと、……武田くん一人だと帰って来られないでしょ？』
「…そうか。悪いな」
よかったー深く詮索しないでくれて。
『立てる？教室戻ろ。みんな待ってるよ』
「いや、だがお前が濡れるだろ」
『今更何言ってんの。ほら、』
この期に及んで手を借りることを躊躇う武田くん。
しょうがないから無理矢理武田くんの腕を取る。
そのまま自分の肩に回すと、諦めたのか武田くんもこちらに体重を預けてきた。
「蝶野、お前意外と力あるんだな」
『伊達に信長のツレやってるわけじゃないからねー。まあ、ここまでしたことはないけど』
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美優(プロフ) - 有紀さん» 初めまして！コメントありがとうございます☺️私も最近続きを書きたい欲が出てきました！気長にお待ちいただければ嬉しいです！ (4月14日 14時) (
レス) @page31 id: c086026ca6 (このIDを非表示/違反報告)
有紀(プロフ) - 初めまして、このドラマが好きで読ませていただきました。続き楽しみにしてます。 (3月29日 18時) (レス) id: 1322499c70 (このIDを非表示/違反報告)
美優(プロフ) - ななさん» お久しぶりです！嬉しいです✨ (3月22日 15時) (レス) id: c086026ca6 (このIDを非表示/違反報告)
なな - TVerで配信開始されたので懐かしくなりまた読みにきちゃいました。 (3月6日 23時) (レス) id: 114e35bcaa (このIDを非表示/違反報告)
美優(プロフ) - らんさん» ありがとうございます！最近は更新できていませんが、読んでくださる方がいると思うと嬉しいです😊 (2023年4月15日 18時) (レス) id: c086026ca6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆう | 作成日時：2022年8月30日 10時
