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思わず後ずさると、信長が私の手を握ってくれた。
「なら大丈夫だ！」
「あ？」
「太陽はいずれ、沈む」
「面白い、沈めてみろ」
自身ありげな信長は、私の手を離すと徳川くんに向き合った。
二人とも口は笑っているのに目が全然笑っていなくて、ちょっと怖かった。
そのうち、徳川くんの方が目を逸らして出ていった。
明智くんと今川くんも後に続く。
私は信長から離れてアイスの棒を拾いにいった。
見ると、「はずれダヨ〜ン」と書かれている。
『ハズレかぁ。見て信長！ハズレだった！』
「ふっ、さっき見た。俺が当たりの棒を投げるわけないだろう？」
『それもそっか』
信長と一緒に水道まで行って、私のアイスの棒も綺麗に洗った。
葡萄味の濃い紫の下から現れたのは、“あたり”の文字。
『え！見て！当たり！』
「よかったな。今日の帰りに交換してもらうか？」
いつもよりテンションの上がった私の頭を優しくポンポンしてくれた信長。
『ううん、今は置いとく』
「なぜだ？」
『信長と一緒に食べたいもん。次当たりが出たら一緒に持って行こ？』
信長の顔を見ると、照れたように笑った信長が私の頬を軽くつねった。
その耳が、少し赤かった。
─────────────────────────
翌朝。
教室では黒板の貼り紙を見て井伊くんたちが盛り上がっていた。
なんて書いてあるんだろう。
みんな背が高いから紙が隠れてしまって読めない。
『読める？』
「裏切り者は黒田、そしてまだ他にもいる」
『え？』
ドアにもたれかかった信長に聞くと、すぐに教えてくれた。
それにしても、黒田くんが？
あんなに率先して計画を立ててくれたのに？
個人的には、黒田くんは誰の味方でもないんだと思っていた。
言うなれば、軍師としてつく大将を探しているような…。
「信長くん、Aちゃん。ちょっと、いいですか」
そのとき、みやちゃんに呼び止められた。
みやちゃんに連れて来られた階段には、噂の黒田くんが座っていた。
「おう信長、蝶野」
「あの貼り紙は貴様らの仕業か」
『へ』
みやちゃんと黒田くんを交互に凝視する私。
「話が早いな」
信長が階段を数段上る。
「なぜ、協力すると決めた？」
「野心家ってのはさ、負けてる方に手を貸して、名声を得たいもんなんだよ」
「ふっ、うつけが」
信長と黒田くんが笑い合う。
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美優(プロフ) - Ａ？さん» コメントありがとうございます！前田くんと絡めるように頑張ります！ (2022年8月26日 10時) (
レス) id: c086026ca6 (このIDを非表示/違反報告)
Ａ？ - 凄く面白いです前田との絡みが欲しいです (2022年8月25日 15時) (レス) @page35 id: 463b37ca19 (このIDを非表示/違反報告)
涼杜兄妹(プロフ) - いつも楽しく拝読しております！秀吉ともっと絡ませてほしいです！！！ (2022年8月25日 14時) (レス) @page35 id: a89c13a921 (このIDを非表示/違反報告)
美優(プロフ) - すずさん» ありがとうございます！ (2022年8月23日 19時) (レス) id: c086026ca6 (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - 応援してます!! (2022年8月19日 18時) (レス) @page13 id: c8c40d0f19 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆう | 作成日時：2022年8月10日 0時
