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教室に入ると、教卓に頬杖をつくみやちゃんと目があったから手を振っておいた。
「あのさ!裏切り者がわかる方法だったらあるぜ」
「は?」
椅子に座ったとき、突然今川くんが立ち上がった。
「全員一斉に、蝶野からきたメッセージを開示すればいいだけの話」
『えっ、』
─今川義元は、桶狭間の戦いで織田信長に敗れ、その命を落とした。
「なあどうだ?一斉に見せようぜ」
「「「「おお」」」」
「だが、裏切り者ならメッセージの開示を拒否するのでは?」
「ばーか!そしたらその時点でそいつが裏切り者決定じゃねえか」
「その通り!!!!」
「おいおいおい、裏切り者だと思われるぞ?立て立て立て!」
…やばい。
みんな今川くんの煽りに乗っかってめちゃくちゃやる気だし。
このままじゃみんなに同じメッセージを送ったことがバレてしまう。
まだアイス齧ってないのに冷や汗垂れてきた。
何でこんなにみんなやる気なの?
本当に徳川くん側の人はどうするつもり?
教卓のみやちゃんと目線を合わせるも、どうしようもない。
「せーので見せるぞ」
「「「「「せえーー、」」」」」
「お待ちください!」
『待って!』
みやちゃんと私、叫んだのは同時だった。
「それでは、個別に送った意味が!」
「関係ねえ!せーの!」
もう終わりだ、と覚悟を決めて目を瞑った。
「全て丸だ!!」
と、隣から信長が大声を上げた。
『信長…』
アイスの棒を投げ捨てて(こら)、信長が立ち上がる。
「貴様らに送られたのは、全て丸だ」
画面を見せた信長に、みんなが騒めき出す。
恐る恐る画面を見せ合って、信長の言葉を確かめ合っている。
「ていうことは、お前らが俺たちを騙した、ってことか?」
今川くんが、私たちに視線を向けた。
そういう魂胆だったのね。
今ので全部わかった。
今川くんが、徳川くんについていたんだ。
「嘘やろ、Aちゃん…」
「日下部、どういうことだ」
秀吉くんにその顔されるのは結構辛い…。
みやちゃんに駆け寄ってみやちゃんの肩を抱いた。
「貴様らが思ってる通り、みやびが全てを考え、Aと二人で実行した」
「日下部、蝶野、てめえら!」
「お前らふざけんなよ!!」
「どういうことなんだよ!?」
「ああ!?」
みんなに詰め寄られて、既に瞳を濡らしたみやちゃんが後ずさる。
私はみやちゃんを庇うようにして抱き寄せる。
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美優(プロフ) - A?さん» コメントありがとうございます!前田くんと絡めるように頑張ります! (2022年8月26日 10時) (レス) id: c086026ca6 (このIDを非表示/違反報告)
A? - 凄く面白いです前田との絡みが欲しいです (2022年8月25日 15時) (レス) @page35 id: 463b37ca19 (このIDを非表示/違反報告)
涼杜兄妹(プロフ) - いつも楽しく拝読しております!秀吉ともっと絡ませてほしいです!!! (2022年8月25日 14時) (レス) @page35 id: a89c13a921 (このIDを非表示/違反報告)
美優(プロフ) - すずさん» ありがとうございます! (2022年8月23日 19時) (レス) id: c086026ca6 (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - 応援してます!! (2022年8月19日 18時) (レス) @page13 id: c8c40d0f19 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆう | 作成日時:2022年8月10日 0時