【145】 ページ14
大野さんがｻﾗﾘと落としたその言葉は、
会場を騒がせるのには十分だった。
泣き叫ぶような女子の悲鳴や、
項垂れるような男子の残念そうな声が、
鼓膜を突き刺すようなボリュームで通り抜ける。
「ちょっ、大野さん！」
智「んー？」
唖然としているピアス男を置いて、
私の手を引いてステージから降りていく彼の背中に声を掛けると、
こんな時でも柔らかい声が返ってきて、一瞬で空気が優しくなる。
「何てこと言ってるんですか……！」
智「別にいいじゃん、本当のことだもん。」
「もん、って…。」
慌てる私とは正反対で至極冷静な彼。
別にいいでしょとでも言うように、
彼は八重歯を覗かせてふにゃんと笑って小首を傾げた。
綺麗な顔立ちの人がそんなことしたら、可愛いに決まってる。
そんなことを思いながら、
ふと視線を役員席に向けると二宮さんと目が合った。
彼を見て、思い出す。
『見て分かんない？‥彼女だよ』
女の子に囲まれて逃げるのが面倒くさくなった彼が、
しれっと放った言葉が不意に脳裏を過った。
「(ひっ…！)」
そろり、と顔を上げた先に見えたのは、
目をｷﾞﾗｷﾞﾗと光らせて私のことを睨むように見つめてる女子たち。
‥もう私、女子たちの目の敵だ。
・
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みさと - はじめまして。和音さんのお話を読んでとっても感動しました。最後まで移行していただき、ありがとうございます。まだ、途中ですが、最後まで読むのが楽しみです☆*° (2020年5月5日 0時) (
レス) id: c5af1bd37e (このIDを非表示/違反報告)
和音(プロフ) - ぐちこさん» コメントありがとうございます！沢波ちゃんの強さに実は私も憧れております(^^)みんな個性があるのでこれからどうなるのか最後まで読んでいただけると嬉しいです☆ (2020年3月8日 18時) (レス) id: 28aea4d7cf (このIDを非表示/違反報告)
和音(プロフ) - マカロンさん» コメントありがとうございます！泣いて頂いたなんて！嬉しすぎます(;_:)次パートも読んで頂けると嬉しいです♪ (2020年3月8日 18時) (レス) id: 28aea4d7cf (このIDを非表示/違反報告)
和音(プロフ) - yuriさん» コメントありがとうございます！次パートもやっと公開できましたのでそちらも読んで頂けると嬉しいです☆ (2020年3月8日 18時) (レス) id: 28aea4d7cf (このIDを非表示/違反報告)
和音(プロフ) - まりさん» コメントありがとうございます！ファンだなんて言って頂けて嬉しいです(;_:)次パートもやっと公開できましたので、そちらにも足を運んで頂けると嬉しいです♪ (2020年3月8日 18時) (レス) id: 28aea4d7cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：和音
| 作成日時：2019年10月13日 14時
