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「バッ、バーカ！ちっげーよ！！」
「ば、バカだなんてひどい…！」
ボンって効果音でも付きそうな勢いで、自分の顔が火照ったのが分かった。
それを誤魔化すみてぇに、Aのほっぺを引っ張った。
…さっきの言葉…Aの言う通り、臭ェプロポーズの台詞みてぇだったな…
ダッセ…恥ずかしい…
自分でも今顔が赤くなってるのが分かる。
「やしゅともくん…いひゃいよ…っ」
「あ、わりぃ。」
そーいや、Aのほっぺ引っ張ってたままだった。
手を離すとAはほっぺを膨らませてそっぽを向いた。
「もう靖友くんにお弁当あげない。」
…あー…
怒らせちまった。
謝ろうとしたその時、そっぽ向いてたAが少し照れたようにこっちを向いてきた。
「あの、お弁当もうあげないって思ったけど……やっぱり卵焼きも食べてほしいなぁ、なんて。」
「へ…」
「あと…おにぎりも、ハンバーグも、エビフライも食べてほしくて…」
…………なんだ。この可愛い生き物は。
「あとね、ウインナーも、このお野菜も食べて欲しくて…」
「ぷっ。分かった分かった。全部残さず食べるヨ。」
俺の言葉を聞いて、ぱぁっと笑顔になるA。
……怒ったんじゃねぇのかヨ……
怒りよりも俺に弁当食べて欲しい気持ちが勝つって………
アー・・・
ホント、おめーには敵わないなぁ。
どんどん好きになっていくー・・・
『さっきはごめんネ』って頬を撫でると、更に嬉しそうにはにかんだ。
…悔しいくらい大好きな彼女の顔見て食べる弁当は、ホントに美味くて、幸せで、
あっという間に完食した。
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作者名：蓮菜 | 作成日時：2021年4月10日 0時
