ある日、病室に野獣がきました。(番外編②)【荒北靖友】 (ページ1)

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Aside

『もうすぐ3月だ。荒北が箱学を卒業したら寂しくはならないか？』

『皆バラバラの県になるからな。今後、なかなか簡単には集まれないだろう。』

「……はぁ……」

デートを終えて帰宅した私は、すぐにベッドに横になる。

結局ファミレスを出たその後も、私はずっと上の空だった。

今もずっと、東堂さんの言葉が頭の中でこだましている。

…バラバラの県…か。

神奈川から出るって事だよね…。

そうなると、今みたいにすぐ会えなくなっちゃうね。

「大学……かぁ。」

なんで靖友くんの進学する大学の場所忘れちゃってるの……私のバカ。

そして『どこの大学？』って聞けない自分が意味分かんない。

「なんだか、前の……アメリカに行く前みたいな気持ちだ…。」

……靖友くんと離れたくない……現実を受け入れたくないっていう、わがままな気持ち。

もちろん、アメリカほど遠いって事はありえない。会おうと思えば会いに行ける距離っていうのは分かる。

でも……、今まではずっと側に居たから…

『居てくれた』から…

会いたい時にすぐ会えなくなるのは寂しいよ…。

「……私のわがまま……」

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